私の富士登山日記
011
ペンネーム  みぃ太郎 さん
登山日  2006年7月29日〜30日
登山道  富士宮口登山道
タイム  登り=7時間  下り=5時間

 富士登山2度目のチャレンジは富士宮口から。4つある登山道のうち山頂までの距離が最も短いルートだ。 登山道と下山道が同じなため、ピーク時はかなり混雑するとか。お互い譲り合って楽しい登山をしないとね。

 また今回の登山は夜間に山頂を目指す。 夜間登山は気温が低い分体力の消耗が少ない利点もあるが、街灯のない山道を進むため岩場で軍手が裂けるといった思わぬ事故が多い。 自分の視界を確保するためのヘッドライトを購入し、準備万端。

  予定の22時を過ぎて、五合目を出発。 例年なら梅雨明け宣言されている時期なのに、今年は運悪く雨のような濃霧のようなすっきりとしない天気。 それでも薄暗い山道をひたすら山頂を目指して登る。 個々に歩くペースが変わるため、仲間と多少離れるものの、お祭りなんかでよくある蛍光に光るブレスレットを首に巻いているのが目とになって、岩場の隅で休んでいる仲間がすぐわかる。

 最初の山小屋は本六合目。 この山小屋を抜けると、ぐっと道幅が狭まる。 今まで歩いてきたふかふかの砂利道も、重なり合う大きな岩場となり、一歩一歩足場を確かめながら前へと進むようになる。 変わりやすいと言われている山の天気なだけあって、雨が強く降ったりやんだりの繰り返し。思ったよりも蒸し暑く、五合目で装備した上着をザックにしまう。

 富士宮登山口はうねうねと傾斜を登るというよりも比較的一直線の岩場をよじ登りながら山頂へ向かうのが特徴。そのため、身体が酸素を取り入れにくく高山病になりやすい。調子に乗ってハイペースで進むと痛い目に。気をつけないと。 とはいえ、昨年は初登山で御来光を山頂で見ているという自信から足取りは思ったよりも軽い。 山頂への誓いを胸に六合目の山小屋を背に、グイグイ進む。 六合目を抜けると次の山小屋は新七合。ってことは、次は本七合なのだろうかと思ったら、元七合とある。 登頂を目指している身としては、本も新も元も紛らわしい…。がっくり。 山小屋での休憩では水分を取ることも重要。荷物も軽くなるし、水分補給をするだけで高山病の予防にもなるのだ。 しばしの休憩を経て、山道へと気持ちを奮い起こす。 落ち込んでいてもしょうがない。ここまできたら、降りるのだってつらい。

 八合目、九合目の付近から御来光渋滞がはじまる。 前日に山小屋で宿泊していた登山者がチェックアウトをし、山頂へ向かうので必然的に人が増える。思うペースで前に進むことができず、足止めをくらう。 霧雨で冷えた身体は、立ち止まりながらの登山でガクガクと震えだす。真っ暗だった空も次第に明るくなり始め、登山ルートを外れた岩肌にうっすらと雪が積もっているのが見える。寒いはずだ。

 富士山の登山時期は7月1日の「お山開き」から始まって8月26日の「お山じまい」までの限られた数日しかない。 もちろん「お山じまい」後も登山は可能だけれど、徐々に山小屋も閉鎖されるので、登山シーズンの週末はいつでも渋滞していると思ってまず間違いないだろう。 御来光渋滞ってお盆のピーク時だけかと思っていた…認識が甘かった。

 なんとか九号五勺の山小屋に着くと、先を行っていた仲間を発見。渋滞していなければここから山頂までは40分弱と言われている道のりではあるものの、九合五勺の山小屋から頂上までの間は岩陰に隠れて御来光が見えない場所もあるといわれている。上を見上げると山頂まで続く人、人、人の長い列。 とても40分弱で行けそうではない。山頂で御来光を見られないのは残念だけれど、ここから仲間と一緒に拝観することに。

 まだかまだかとぼんやりと光の差す夜空を見上げて待ち構える。 歩くことをやめて御来光を待ち構えるこの瞬間が一番寒い。 カメラを構える手の震えも止まらない。極限の寒さからガタガタ顎が鳴りだす。


 どこから顔を出すのかわからない朝日を探して、オレンジ色に染まりだした中心を眺める。 強くなる光を感じながら無言で見あげる富士の傾斜から伸びてくる光。下界に広がる雲が幻想的な雰囲気をさらに引き立たせる。ほんの数分の間で寒空だったのがウソのようにぽかぽか暖かくなると、まぶしいほどに輝きだし、一面を照らす。 ちょうど御殿山口からの登山者が立ち止まりご来光を見ている人影がドラマのワンシーンのように浮かび上がる。

 御来光を観たからといって、今回の任務が遂行できたわけではない。 あと五勺を残すのみではあるものの、山頂までの道のりは近そうで遠い。ゴールの鳥居はすぐそこに見える。

 山道では山頂で御来光を拝観して、早々と下山する登山者とすれ違うように。 九合五勺で合流した仲間とペースがずれてしまったため、山頂の鳥居の前で休憩。せっかくだから手をつないで同時に鳥居を潜り抜けたい。 共に登頂ができた5人としっかり手を握り、鳥居に向かう。 感動をありがとう。万歳!(2007年5月報告)

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