ぐんないスポット探訪
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県水産技術センター忍野支所(忍野村) 地域の「魚づくりの場」

県水産技術センター支所 (忍野村)
 山梨県忍野村忍草の県水産技術センター忍野支所は、魚の養殖や飼育指導などを行う、地域の「魚づくり」の場として親しまれている。センター内には遊歩道が整備され、見学に訪れる子どもも多い。

 センターは、1931年にニジマスの飼育を目的として前身の県営忍野孵(ふ)化場が開設されて以来、名称の変更を重ね、現在に至っている。

 ニジマスなど冷水性魚類を中心に淡水魚を飼育。受精後、16日程度が経過した魚の発眼卵を県内の養殖業者に販売。業者が扱っている魚の病気を診断し治療を行うほか、隣接する県立富士湧水の里水族館にも魚を供給している。

 施設では、年間を通じて12度の富士山のわき水をくみ上げ、魚の飼育に利用。鳥類などから稚魚を守る屋内の稚魚飼育棟や、ふ化室棟などもあり、魚の成長過程に応じて使い分けている。飼育池には「幻の魚」と言われるイトウや、色素が抜けた金色のニジマスなどもいて、来場者の目を引いている。



 富士河口湖町の西湖で2010年、約70年ぶりに発見された淡水魚クニマスは現在、養殖技術確立に向けた研究が進む。2011年から忍野支所は個体数維持、観光や漁業への活用を目的に養殖を開始。これまでにクニマスの生殖細胞を移植したヒメマスから採取した卵と精子を使ってクニマス誕生に成功。2018年には与える餌を調整し、課題だった稚魚の生存率も9割まで延びている。

 また、新魚の開発に向け、2002年度からキングサーモンとニジマスの交配種の予備研究を開始。2007年度に養殖化に向け正式な研究に移行、交配に取り組んできた。2016年に養殖の承認を受け、翌年新魚の名前を「富士の介」と名付け、県内での養殖がスタート。東京五輪・パラリンピックに合わせ2020年の流通を予定している。

 ■所在地 山梨県南都留郡忍野村忍草3098-1


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