富士山講座 山梨日日新聞の連載から
 溶岩流
最大40日間、流れは緩やか
溶岩流可能性マップ
溶岩流可能性マップ
この地図は、富士山火山防災協議会(富士北麓8市町村)が、国土地理院長の承認を得て、同院発行の20万分の1地形図を複製したものである。(承認番号平16関複、第288号)
 溶岩流は、噴火口から流れ出た1200度(初期温度)を超える高熱の溶岩が山の斜面を流れる現象。樹木や家屋、道路などを焼失させ、山ろくに壊滅的な被害を与える。

 1986年の伊豆大島噴火など日本の火山に多く見られ、富士山でも「貞観噴火」(864−866年)で発生。「せの海」を西湖と精進湖に分断し、冷えて固まった上層に青木ケ原樹海が形成された。

 政府の富士山ハザードマップ検討委員会は、溶岩流の達する可能性があるエリアを噴火の規模(大、中、小)に応じてシミュレーションした。山頂の北東面で大規模噴火が起きた場合、山梨側では六時間以内に1合目付近、24時間以内に東富士五湖道路周辺まで達すると推測。最終的には最大で約40日間流れ、都留市十日市場付近まで及ぶ可能性があると指摘している。しかし、富士山の溶岩は粘着性が高く、「流れる速度は人が歩く程度」(同検討委)。住民が余裕を持って避難する時間はあるという。2002年1月には溶岩の流れを人為的に変える導流工の掘削訓練も行われ、減災への研究も進んでいる。

 地元など8市町村で構成する富士山火山防災協議会は「富士山噴火で溶岩流が発生する可能性は極めて高いが、生命危険度は比較的小さい。火口の位置によっても影響を受ける範囲は限定されるので、行政や報道機関からの情報を確認して避難することが重要だ」としている。


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