富士山講座 山梨日日新聞の連載から
 火砕流
「高温風」土石流の要因に
火砕流可能性マップ
火砕流可能性マップ
この地図は、富士山火山防災協議会(富士北麓8市町村)が、国土地理院長の承認を得て、同院発行の20万分の1地形図を複製したものである。(承認番号平16関複、第288号)
 噴火によって細かく砕けた岩石が高温のガスとともに山の斜面を高速で流下する火砕流。その際「火砕サージ」と呼ばれる高温の強風が吹き、巻き込まれると多くの犠牲者が出るため、生命危険度は高い。

 1991年に長崎・雲仙普賢岳で起きた火砕流は、約400度の高温で、時速120キロ以上で流下し、43人もの死者・行方不明者を出した。

 富士山の山梨側では過去、山頂の北東斜面の1カ所で発生した痕跡がある。富士山ハザードマップ検討委員会は、過去のデータなどから「山頂付近の最大斜度30度以上の急斜面で発生する」と推定している。

 流下する方向はすべての可能性が示されていて、到達範囲としては山頂を中心に8−10キロの範囲に及ぶと想定。火砕サージは、他の火山の実績を基にして、火砕流の本体から約1キロ先の範囲まで及ぶ可能性があるとしている。

 富士山の大きな山体と広大なすそ野から、火砕流や火砕サージが市街地まで到達する可能性は低いとされているが、火砕流による堆積(たいせき)物がその後の雨で土石流の要因となり、生活を脅かす可能性は高い。

 富士山火山防災協議会は「火砕流の到達範囲はもちろんだが、下流の川沿いなどにむやみに近づかないことが重要。流下方向にある河川沿いの住民には、速やかな避難指示を出すなどして安全確保に努めていく」としている。


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