富士山講座 山梨日日新聞の連載から
 火山灰
農作物への被害長期化
火山灰可能性マップ
火山灰可能性マップ
この地図は、富士山火山防災協議会(富士北麓8市町村)が、国土地理院長の承認を得て、同院発行の50万分の1地形図を複製したものである。(承認番号平16関複、第288号)
 火山灰は細かく砕けたマグマや岩石が空中に吹き上げられ、風に乗って遠方まで運ばれた後、地上に降り積もる。生命危険度は低いものの、噴火活動が終わっても土石流の要因となったり、降灰による農作物への被害が長期間におよぶなど、一般的に噴火被害の約九割が火山灰に起因するとされている。

 降灰は上空の風向きや風速の影響を強く受ける。富士山の「宝永噴火」(1707年)の際は、灰が神奈川、東京、千葉などにも達し、静岡県小山町須走では250センチ積もったという記録も残されている。

 富士山の場合、偏西風の影響から年間を通じて西風が吹くケースが多く、火山灰も宝永噴火同様、東側の地域に向かう可能性が大きい。しかし7、8月は風向きが一定ではないため北側に位置する甲府盆地にも影響が出ることが予想される。

 富士山ハザードマップ検討委員会では、過去45年間の上空1万メートルの風向きと風速データを基に、山頂で宝永噴火と同規模噴火が起きた場合の降灰量を示した。それによると、火口付近では100センチ以上、富士五湖で50センチ、東京都心で10センチ、成田空港付近で2センチになると推測している。

 富士山火山防災協議会は「降灰が2センチ以上になると目や鼻、のどに異常を訴える人が増え、50センチ以上になると重みで家屋の倒壊が発生し、交通機関にも大きな影響が出る。避難の際はゴーグルやマスクを着用してほしい」としている。


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