富士山講座 山梨日日新聞の連載から
 土石流
周辺の山に降灰、被害拡大
土石流可能性マップ
土石流可能性マップ
この地図は、富士山火山防災協議会(富士北麓8市町村)が、国土地理院長の承認を得て、同院発行の50万分の1地形図を複製したものである。(承認番号平16関複、第288号)
 山の斜面に火山灰が厚く積もった後に雨が降ると、土石流が発生しやすくなる。土石流の流下速度は時速40キロに達することもあり、生命の危険度も高い。

 富士山ハザードマップ検討委員会は、富士山の「宝永噴火」(1707年)後の土砂災害に関する資料などを分析した結果、「降灰の堆積(たいせき)厚が10センチ以上になり、1時間当たりの雨量が10ミリ以上になると土石流が発生しやすくなる」と警告する。灰が30センチ以上積もり雨が降れば、重みで木造家屋が倒壊する恐れもある。

 土石流で理解しておかなければならないのは、噴火した山だけで起きる現象ではないということだ。富士山噴火の場合、噴出した灰が周辺の山に積もり、そこで発生することも予想される。

 土石流可能性マップには、国土交通省が進めている「土石流危険渓流及び土石流危険区域調査要領」(案)に基づいて山梨県が調査した危険個所と、ハザードマップ検討委員会が地形図に基づいて独自に判断した危険な谷を地図上に落とした。これによると、御坂山塊や丹沢山系なども想定範囲に含まれてくる。

 富士山火山防災協議会が住民周知用ガイドブックに掲載した土石流可能性マップは、溶岩流、火山灰など他のマップに比べ、複雑で見づらいのが実情だ。そのため、同協議会は「地域住民に土石流の危険性を十分に理解してもらうためには、市町村ごとの防災計画などでさらに細かい解説をしていく必要がある」としている。


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