富士山講座 山梨日日新聞の連載から
 活動史
東海地震関連の情報注視
火山現象実績図
火山現象実績図
この地図は、富士山火山防災協議会(富士北麓8市町村)が、国土地理院長の承認を得て、同院発行の20万分の1地形図を複製したものである。(承認番号平16関複、第288号)
 富士山は「3階建ての火山」と表現されることがある。1階が「小御岳火山」、2階が「古富士火山」、3階が「新富士火山」。この3つが一体となって「コニーデ型」と呼ばれる流麗な円すい形の山体を構成している。

 これまでの調査では、過去2200年間に少なくとも75回の噴火が確認されていて、すべてが山腹からの噴火。富士山ハザードマップ検討委員会では過去のデータから「大規模噴火2%、中規模噴火11%、小規模噴火87%」という噴火歴を示した。次に起こる噴火について「統計上からは大規模にならない可能性があるが、十分な備えは必要」とする。“有事”に向け、富士山火山防災協議会は地域住民の防災意識の喚起に努めている。

 また宝永噴火(1707年)の際には、約50日前に「宝永東海地震」が発生した。地震と富士山噴火の関連は明らかになっていないが、「今後も東海地震関連の情報を注視する必要がある」と指摘する専門家もいる。

 さらに山の一部が崩れて大きな塊(かたまり)が、なだれのように高速で流下する「岩屑(がんせつ)なだれ」、雪と雨が混ざってなだれとなる「雪代(ゆきしろ)」など、噴火以外の災害も発生している。

 日本を代表する観光資源でありながら、ひとたび噴火すれば未曾有(みぞう)の被害をもたらす可能性のある活火山という“二面性”も持つ富士山。減災の第一歩は自然の営みである噴火の「姿」を知ること。それをステップに、「共生」に向けた官民一体の一層の取り組みが求められている。 (おわり)


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