(ふじさんのせかいぶんかいさんとうろく)
世界遺産登録とは、国連教育科学文化機関(ユネスコ)が1972年総会で採択した世界遺産条約に基づき、自然遺産と文化遺産、複合遺産の3分野で遺産保護を義務づける登録制度。
山梨、静岡両県が進めている富士山の世界文化遺産登録に向けた作業は、2011年7月に富士山の価値を証明する推薦書原案を文化庁に提出したことで一つの区切りを迎えた。推薦書原案は、信仰と芸術の二つの側面から富士山の高い価値を訴え、「日本と日本文化を象徴する名山」として登録を求める内容になっている。
推薦書原案に記載された構成資産は、山梨、静岡両県にまたがる富士山域のほか、山梨側16件、静岡側8件の計25件。これらを材料としながら、両県は推薦書原案の中で、富士山が「信仰の対象」「芸術の源泉」として現代に至るまで国内外に影響を与え続けてきた「世界の宝」である点を強調している。
推薦書原案の提出により、登録作業を国にバトンタッチ。国も9月にユネスコ本部に推薦書の暫定版を提出、11月にユネスコが受理したことで、2012年2月までに正式版の提出を目指す。正式版提出後はユネスコの諮問機関である国際記念物遺跡会議(イコモス)が推薦書内容を審査。2012年夏ごろには専門家が富士山を訪れ、現地調査も行う。イコモスは審査した上で、ユネスコの世界遺産委員会に登録するべきか否かを勧告。早ければ2013年夏に登録が実現する。
山梨、静岡両県が合同会議を立ち上げ、富士山の世界文化遺産登録活動を開始したのは2005年。曲折を経て、2011年に入り、懸案だった富士五湖の文化財指定に必要な地権者同意のほぼすべてを取得。国の文化審議会が5月に富士五湖の文化財(名勝)指定を文部科学相に答申、9月に指定が告示された。また11月には、静岡県の人穴富士講遺跡など5件についても、文化財(史跡)に指定されている「富士山」に追加指定するよう答申。これで登録手続きで必要な全構成資産の文化財指定にめどがついた。さらに、海外の専門家から指摘を受けていた北富士・東富士演習場の保全策についても、自主的な保全管理区域に含めることで決着している。 |
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