甲斐山岳会「幻」の会報発見

甲斐山岳会「幻」の会報発見

 甲府市内で見つかり県立図書館に寄贈された、甲斐山岳会の会報「山」の第4号(1928年発刊)。会報は1〜4号が刊行されたが、戦時中に焼失するなどしたため第4号だけ現物が確認されておらず、関係者の間では“幻”とされてきた。太宰治の義父で地質学者の石原初太郎の寄稿文や日本山岳会を創設した武田久吉の講演録を掲載していて、県内の近代山岳界の草創期を知る上でも貴重という。

 同連盟によると、同山岳会は若尾財閥の若尾金造が会長に就任して24年に発足した。会報「山」は25年から年に1回刊行され、1〜3号は県立図書館に収蔵されていたが、28年に発刊された4号だけは実物が見つかっていなかった。

 第4号には、石原初太郎の寄稿文「富士の笠雲」を掲載。富士山にかかる笠雲の状態と周辺地域の天候との関係について分析している。また、与謝野鉄幹・晶子夫妻に師事した仏文学者で詩人の中込純次(富士川町出身)が「故山の山山」として「富士山は日本人の思想、宗教、芸術などを優雅にするといふ人もあった。故里の白根の姿は、今私の眼の中にある」と書いている。

山梨日日新聞社 YBS山梨放送
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