1981(昭和56)年2月21日付

1981(昭和56)年2月21日付
『「登山指導センター6合目に新設 安全な富士山のPRも』

 第4回富士山安全対策連絡協議会(会長・石原茂富士吉田市長)は20日、富士吉田市民会館で開き、ことしの夏の富士山安全対策を最終的に協議した。その結果(1)登山道(県道)の一部変更に伴う改修工事(2)下山道つばくろ東沢ルートの新設(3)登山指導センターを6合目に新設する−などを重点事業に決めた。県はこれらの事業を県単工事にで行い、総額1億5000万円を2月定例県議会に計上する。また地元観光協会は出遅れていた夏のPRを「富士山は安全」という立場から早急に宣伝活動に入ることになった。

 県はこれまでの同協議会、対国委員会の協議経過を踏まえ、登山道は穴小屋から花小屋までの約1500メートルを土塁構築し、砂走りに近いルートの一部変更等は雪解けを待って開始する。また新下山ルートはつばくろ東沢ルートを開設し、雪解けと同時に現地を実測して延長約4250メートルのルートを新設、途中の浮き石等を排除して安全を確保する。

 開設場所で論議を呼んだ登山指導センターは、地元の要望が強かった6合目付近に新設することになった。県観光課によると、開設期間は7月1日のお山開きから8月26日の山じまいまでとし、センターの業務は(1)雑誌、パンフレットなどで事前PRする(2)山岳パトロールは8合目から下山道ルートを重点的に行う(3)救急連絡としては救急車を待機させ救護室で簡単な手当てをする(4)気象情報サービスは気象台情報、山小屋からの情報を集めて流す−などである。

 設置場所は6合目の雲海荘付近で、建物は鉄筋平屋建て約90平方メートル。救護室、仮眠室、指導案内室、警察官詰め所などを設ける。建設費は4800万円で、運営費を含め約6000万円程度を予定している。また久須志岳の崩落防止については約700万円の予算で県が調査する。

 安全対策が最終的に決まったが、今後はセンター設置に伴う環境庁、文化庁との事務的詰め、センターに常駐する職員の割り振りなどが残されている。また、今夏はとりあえず県と地元市町村が対応することになったが、これだけで富士山の安全が確保されたかどうかは疑問−との声もあり、国の出方が今後の課題となる。

 PR面は静岡県側と比較して大きく出遅れている。地元観光業者はイメージダウンをどう回復し、観光と安全という二つの課題を同時に解決させる必要があり、関係者の工夫が求められている。 【当時の紙面から】

山梨日日新聞社 YBS山梨放送
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