活動広げる遺産の“番人”

活動広げる遺産の“番人”
 日本のシンボルで重要な観光資源である富士山と周辺地域の自然保護、適正利用を強化することを目的に、2005年に山梨県が独自に制度化、創設した自然保護官「富士山レンジャー」。世界文化遺産・富士山の環境保全活動に目を光らせている。

 県内の自然保護関連制度としては、自然環境保全条例における違反行為を監視する県委嘱の自然監視員制度などがある。このうち、観光客数が年間約2000万人に上る富士北麓地域は、自然を軸とした観光が定着する一方、植物の盗掘やごみの投棄など、一部に違法行為やマナーを守らないケースが依然目立つ。これを受け県は自然保護策の強化がさらに重要性を増していると判断。“県直轄”で対策に当たる専任人員として富士山レンジャーを配置した。

 初年度は2005年4月11日から募集を開始。26人の応募があり、筆記試験や個別面接などによる選考の結果、2人を採用した。同年6月1日に辞令交付、1カ月間の研修を受け、夏山シーズンを迎える7月1日から本格的に活動を開始した。その後、環境保全強化のため増員し、2008年度に4人、2014年度からは7人体制。

 県の非常勤職員として週5日・38時間勤務。雇用期間は4月からの1年間単位で、採用後は4回まで更新でき、最長5年務めることが可能。

 勤務地の富士河口湖町・県立富士山世界遺産センターを拠点に、富士山と富士北麓地域を対象エリアに活動する。主な業務は、登山者への安全指導や案内看板を点検するほか、富士北麓地域を巡回し、マナー啓発や植物の不法採取の監視、地元の小中学生や高校生に対して富士山を教材にした環境教育をする。観光客への自然解説、自然保護の啓発活動なども実施する。登山客や観光客、子どもたちと接する機会を多く持ち、富士山の魅力を伝えるとともにレンジャーの周知を図っている。

 2010年からは、富士山レンジャーが撮影した写真による、富士山・富士北麓地域の魅力と環境問題を伝える写真展を県内各所で実施している。
富士山NET−富士山レンジャー
富士山レンジャー 活動の様子 富士山レンジャー 写真展
活動の様子 写真展


山梨日日新聞社 YBS山梨放送
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