山小屋に息づく「富士講」

山小屋に息づく「富士講」
 16軒の山小屋が立つ富士山吉田口登山道。多くの山小屋には、江戸時代に富士講信者から寄進された神仏の像が祭られている。木札や布に富士講の名称を記した「マネキ」が残る山小屋も多い。古くからの富士講と山小屋とのつながりがうかがえる光景。

 ふじさんミュージアムや各山小屋によると、7合目では、岩場の形状が不動明王を表す梵字に似ていることから、不動明王を祭る山小屋が多い。「鎌岩館」には江戸時代に作られたとみられ、富士講信者から奉納された不動明王像が大切に祭られている。

 一方、江戸時代に富士講中興の祖といわれる行者、食行身禄が修行を積んだ8合目では、行者にまつわる像が目立つ。「白雲荘」には、身禄の石像やその弟子の木像が安置されている。

 「マネキ」は山小屋の壁に掛けられ、富士講信者が休息したことを今に伝える。ほとんどの山小屋にあり、信者でにぎわった往時の様子をしのばせる。変わり種は7合目の「日の出館」。江戸時代に信者から贈られた茶釜が今も“現役”で大切に使われている。

山梨日日新聞社 YBS山梨放送
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