富士の麓に響く多彩な音色

富士の麓に響く多彩な音色
 山梨県富士河口湖町で毎年8月に開催される「富士山河口湖音楽祭」。演奏家と地域住民、子どもたちが、多彩な音楽プログラムでハーモニーを響かせる「住民参加型創造音楽祭」。同町の河口湖ステラシアターを中心に、ホール、ショッピングセンター、美術館、富士山5合目など各所で繰り広げられる。現在では7月にプレ演奏会も開かれる。

 2018年の開催は8月11日〜8月19日。期間中、約40のプログラムを開催。

 音楽祭は2002年に初開催。世界的な指揮者の佐渡裕さんが監修(〜2016年)し、河口湖ステラシアターの運営に携わる町民ボランティア、町内外の中学、高校の吹奏楽部顧問らで構成された実行委員会が企画、運営している。回を重ねるごとに多彩で質の高いプログラムを企画、地域の音楽文化の底上げに力を注いでいる。

 プログラム内容は毎年異なるものの、最大の特色はシエナ・ウインド・オーケストラ(SWO)によるコンサート。世界で活躍する音楽奏者による演奏会や吹奏楽高校生国内トップチームによるコンサートなども開かれ、真夏の富士山麓にすがすがしい音色を響かせる。

 音楽祭のもう一つの目玉は、子どもたちが世界トップクラスの音楽に触れ、学ぶことができる教育的プログラム。吹奏楽を学ぶ山梨県内の中学生で編成する「特別バンド」は、満足のいく演奏をすることを目標に、練習を重ねる。オープニングコンサートをはじめ各所で出張演奏する。

 音楽祭には、公募した“特別合唱団”も参加。2007年の第6回ではフィナーレに、ベートーベンの交響曲第九番が歌われた。10周年を記念した2011年の音楽祭では、プログラム数は44、総参加者数は2万2000人に上った。カール・オルフ作曲「カルミナ・ブラーナ」全曲演奏を披露。県内公募合唱メンバーを中心に総勢220人による合唱の祭典が繰り広げられた。

 運営を裏で支えているのは、住民によるボランティアスタッフ。会場の案内や、舞台設営、出演者の食事の準備までも引き受ける。音楽を鑑賞するだけでなく、アーティストと住民が共同作業で音楽祭を育むことで、音楽と通した交流と地域づくりにつながっている。2010年には、音楽祭が「優れた劇場・音楽堂からの創造発信事業」の採択を受けた。また、地域活性化に取り組む団体を支援しようと、全国の地方新聞社と共同通信社が設けた「第2回地域再生大賞」の特別賞に、「富士山河口湖音楽祭実行委員会」が選ばれ、音楽を通した地域振興の取り組みは全国でも注目を集める。

山梨日日新聞社 YBS山梨放送
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