1962(昭和37)年12月5日付

1962(昭和37)年12月5日付
『富士山ろくに最大の風穴 有料道工事で発見 胎内から500メートル上』

 県営富士山有料道路の建設工事は順調に進んでいるが、舗装された道路の下に高さ約2メートル、長さ約200メートルという富士山ろくでは最大のほら穴があることがわかり地元南都留郡河口湖町では来春の雪解け後本格的な開発に乗り出す。

 現地は河口湖口登山道の胎内から約500メートル上の有料道路建設工事場付近で、今春名工建設会社が原始林を切り払って整地工事したさい、この大きな風穴を発見したという。道路の真下にあたるため土で穴の入り口を埋めてしまったが、名工建設の佐野所長や作業員たちが当時見聞したところによるとほら穴の深さは約200メートルぐらいあり人間が自由に立ち入りできる大きな穴だったという。

 青木ケ原にある富岳風穴は長さ約100メートルぐらいあるが、実際にはいれるのは約70メートルぐらいで風穴より規模が大きいことがわかり、去る6月ごろ作業員たちの話題になった。しかし舗装工事をいそいでいたためほら穴の中をよく調べる暇もなく入り口を埋めたことが、最近名工建設の関係者から地元の河口湖町役場渡辺振興課長の耳にはいったもの。

 穴は有料道路のコースに沿ってゆるく西南へ伸びているが、付近には水のわく場所もあり、河口湖町では来春の雪解けを待って県の認可をえた上、道路沿いの溶岩を火薬で爆破してこの穴を掘り下げる。ほら穴が完全な形を整えていれば自家発電設備も備えて観光客をほら穴へ案内し観光資源に活用したいと役場でも大変な熱の入れ方だ。

 有料道沿いの胎内付近には、ゴルフ場のほかは目立った観光施設はないが、このほら穴が人の出入りも自由な大規模のものとすると観光的な価値は大きい。ことに、富士山をめぐる風穴は、富士火山の爆発によって生まれたという文化財としても貴重なもので、富士山ろくを訪れる観光客や子どもたちにとって、見どころが1つ増えることにもなる。【当時の紙面から】

山梨日日新聞社 YBS山梨放送
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