フジザクラ

フジザクラ
(ふじざくら)

 バラ科の落葉小高木。葉は小形で倒卵形または卵形。長さ3―5センチ、幅2―3センチ。へりに鋭い欠刻状重鋸(きょ)歯があり、4―6月開葉前に白または微紅色のかれんな花を下向きに開く。がくは紅色。核果は球形で、紫黒色に熟す。

 本種は正名をマメザクラといい、異名をフジザクラという。普通山梨県人はフジザクラと呼んでいる。これは富士山に多いからである。はじらいがちな乙女のようにうつむきかげんに花が咲くところからオトメザクラの名もある。富士山を中心として中部、関東両地方に分布している。

 山梨県内では富士山を中心として広く分布し、御坂山地や帯那山などには多いが、富士山から遠ざかるにつれて少なくなっている。

 富士山では吉田口の中ノ茶屋と大石茶屋との間の登山道に沿った林野に最も多く、レンゲツツジと混生している。その群落は代表的なものであるので、1928(昭和3)年3月「つつじが原のレンゲツツジ及びフジザクラ群落」として国指定の天然記念物となった。その後フジザクラはレンゲツツジとともに荒らされたため、その回復を図っている。また、富士山有料道路沿いの創造の森付近にも多い。

 フジザクラには変異が多い。がくが緑色のものをリョクガクザクラ(ミドリザクラ)といい、富士山御殿場口で発見されているが、富士山北側ではまだ確認されていない。花が八重または半八重のものをヤエマメザクラといい、御殿場で発見され、県内では1967(昭和42)年4月、笛吹市御坂町神座山中で発見された。前者とともに珍しいものである。また、ときに山中で見かける花径3センチほどのオオバナマメザクラもある。

 フジザクラは県花に選ばれている。
富士山NET−フジザクラ
フジザクラ


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