歴史と伝説が彩る鋭鋒

歴史と伝説が彩る鋭鋒

 山梨県富士河口湖町、御坂山塊のほぼ中央、のこぎりの歯を上に向けたような鋭峰が連なるのが十二ケ岳。標高1683メートル。

 12もの峰を登り下りしないと山頂に着けないことから山の名前になったという。地元の別名は山容そのままの鋸(のこぎり)岳。なだらかな姿が多い御坂の山々の中で、ここだけがアルペンムードにあふれている。

 一帯は2000万年前は海の底だった。海底では火山の噴火が続き、噴出物を積み重ねていた。1000万年前、海底は地殻変動で上昇、三ツ峠山や黒岳、節刀ケ岳、十二ケ岳などが海から顔を出す。100万年前、海水が後退し全体が陸地化した。

 十二ケ岳をはじめ御坂の山々からは、歴史を物語る化石が次々と見つかっている。伝説の時代に入り、全国の山に登場する「役ノ行者」は、十二ケ岳にも登ったことになっている。

 山頂から足下に見える西湖、こんもりした足和田山、その向こうに大きな富士山が悠然と構えている。

 頂上には赤い屋根の祠と溶岩でできた祠が建っている。後者は400年ほど前に作られたとされていて、崩れ落ちている状態が続いていたが、同町西湖地区の住民有志により修復作業が行われた。

山梨日日新聞社 YBS山梨放送
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