頼朝伝説をもつ「泉瑞」

頼朝伝説をもつ「泉瑞」
 山梨県富士吉田市上吉田の北口本宮冨士浅間神社を起点とする吉田口登山道を富士に向かって約3キロ、諏訪の上から遊境下へ進み左に分岐して約1キロ行くと泉瑞(別称泉津湖)に出る。泉瑞には、源頼朝にまつわる伝説が残っている。 

 頼朝が富士北麓で狩りをした際に、部下将兵ののどを潤そうと、神に祈って岩をむちで打ったところ、こんこんと水が湧き出したという。鎌倉時代の歴史書「吾妻鏡」には頼朝が幕府を開いた翌年、富士山麓で「巻き狩」を行ったことが記されている。

 江戸期以降、富士講中修行の霊場として内八海のひとつに数えられ、御手洗竜王(みたらしのりゅうおう)をまつり、御詠歌に「人山の水はあたえの不老水、よはいの水でふえへりもなし」とあり、講中巡拝の聖地とされている。

 山中で数少ない自然湧水のひとつ。富士山に降った雨雪が浸透伏流ろ過されてこの地に湧出するもので名水の名に恥じない。古くから浅間神社の神水として引水され、大正年代上吉田地区に簡易水道が敷設された際の水源となった。現在も市営上水道水源の一部として利用されているが、上水道引水のため覆石してあり、湧水の現場を見ることはできない。
富士山NET−泉瑞
泉瑞


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