富士講の献立

富士講の献立
 「食」を通じ、河口御師の歴史を後世に伝える−。山梨県富士河口湖町河口の町おこしグループ「上の坊プロジェクト」(外川真介代表)は、江戸時代に富士講信者らが訪れた御師の家で出されていた料理を研究し、現代風にアレンジした御師料理を完成。文献を参考にメニューを決定した。

 グループは、河口地区の歴史を掘り起こすことを目的に2009年に発足。同地区はかつて、富士講信者らが休息する御師住宅が数多く並びにぎわったが、富士吉田市の御師が栄えたことで衰退。そのため、河口御師の存在を広く知ってもらおうと、御師料理の再現を目指した。

 外川代表によると、民俗学者の伊藤堅吉が江戸時代まで出されていた御師料理の品書きを基に記した「富士山御師」を参考に取り組んだ。御師料理の中でも、神への供物と同じ物で作られた料理を食べ、身を清めたとされる「神饌献立」を再現した。

 本には食材が当て字で書かれていて、特定は困難を極めた。地元の高齢者に聞いて食材の特定に当たった。「満久裡」や「者てみすし」など、解明できない食材も。

 また、資料に「小鮎」と記述があっても、それが「生」なのか「乾物」なのか、調理方法の記述はない。味付けに関する説明もなく、懐石料理をベースにした味付けを検討。食材は今手に入るものを中心に選び、バランスを考慮しながら11品の御師料理を再現した。

 本来は御師料理の献立にはないが、煮た海藻でワカサギなどの魚を包んだ「めまき」と呼ばれる河口地区特有の料理も加えた。

 2013年7月から同町河口の「峠の茶屋」で提供(要予約)。

 現代風にアレンジした御師料理は全11品からなる。懐石料理をベースに、味付けなどを考えた。クリや錦糸卵などが入ったマツタケご飯、ワカサギの甘露煮、登理貝のだしで煮たナスやかんぴょうなど多彩な料理がお膳に並ぶ。今より食材が乏しい当時、山や湖などの産物をふんだんに使い、富士山への参拝者をもてなしたことがうかがえる。

山梨日日新聞社 YBS山梨放送
当ウェブサイト上の掲載情報、写真等の無断複写・転載を禁止します。