入会権

入会権
(いりあいけん)

 一定の地域の住民が一定の山林原野に集団的に立ち入り、主として採草、採薪などのため共同で利用し管理する権利をいう。入会原野を共同で所有し利用する権利(民法263条)と、入会林野を利用する権利(民法294条)とに分けられ、物権であるが特殊な権利であって内容は各地方の慣習に従い、登記はできないが第三者に対抗することができる。

 入会権の主体は集落という集団であると同時に、その構成員である個々の世帯で、その範囲も慣習により定められ集団の統制下で入会林野を共同で利用し、維持管理の任務を分担している。山梨県における入会は1881(明治14)年、官有地と決定した入会御料地の中に見られる。90(明治23)年に御料地草木払下規則が制定され、入会の慣行がある村を御料地人会団体と認め、規約を定めさせて入会地を監護する責任と、永世毎年草木を払い下げることを明確にした。

 しかし入会関係者の不平不満から愛林思想は失われ乱伐暴採、放火などにより山林は荒廃した。1907(明治40)年、10(明治43)年の大水害を機に11(明治44)年、県内の入会御料地29万8203町歩(実測約16万3900ヘクタール)が県に下賜された。県は12(明治45)年山梨県恩賜県有財産管理規則(49年条例に改正)を公布し、これにより入会慣行のある町村に保護の責任と草木払下げなどの事務を共同処理する保護組合を設け、地元交付金、産物の特売、土地使用、部分林の設定など地元団体との入会関係を明文化した。

 北富士演習場周辺の富士吉田市外二ケ村恩賜県有財産保護組合は演習場が45(昭和20)年米軍に接収されてから林野雑産物損失補償の配分に端を発した国有地の入会権確認の動きは、地元間で総入会か、単独入会か、また共有入会かで紛争を起こし、入会権者として演習場の不法使用を主張する闘争にまで発展している。

山梨日日新聞社 YBS山梨放送
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