富士山5合目で中宮小屋・礎石出土

富士山5合目で中宮小屋・礎石出土
 山梨県埋蔵文化財センターが行った富士山の遺跡調査で、吉田口登山道の5合目周辺から宿泊施設などとみられる「中宮(5合目)小屋」の礎石を発見。富士山を描いた絵図などでは5合目付近に小屋があったとされていたが、礎石の発見によって存在が裏付けられ、正確な場所を特定。5合目は神聖な山頂と俗世界との「天地境(さかい)」とされ、江戸時代前期以前は、中宮小屋周辺が山頂を目指す登山者の最後の宿泊場所だったとみられる。

 礎石が見つかったのは、富士吉田市の富士山5合目吉田口登山道の旧道近く。平らな土地が階段状に20カ所ある。礎石は複数出土し、周辺からは貨幣も見つかっている。

 山梨県側の富士山信仰の世界を描いた「八葉九尊図(はちようくそんず)」(延宝8、1680年)では、5合目付近に「こやかす十八間」と記され、同所に18軒の小屋があったとされる。1566年(永禄9年)に武田信玄が書いた文書にも「中宮之室」の記述が見える。

 「神聖な場所とされた5合目より上方には、江戸時代前期以前は商業用の小屋は建てられなかった」(同センター)といい、礎石が見つかった周辺に小屋が集中したと考えられるという。

山梨日日新聞社 YBS山梨放送
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