「信虎直筆」の古文書、御師の家で発見

「信虎直筆」の古文書、御師の家で発見
 富士講信者が宿泊した「御師の家」の家柄である、山梨県富士吉田市上吉田の「菊谷坊」から2012年4月、1530年前後に武田信玄の父信虎が書いたとみられる古文書が見つかった。菊谷坊に信虎が所領を与える内容で、これまでは別人が書いた写しの存在が知られていた。これまでに見つかった信虎直筆の古文書は少なく、専門家は「貴重な発見」と話している。

 信虎が書いたとみられる古文書は、中世の歴史に詳しく、県史編さんにも携わった堀内亨さんが調べた。堀内さんによると、古文書は信虎が大月市内の土地を、菊谷坊に与える内容。信虎のサインである花押が書かれている。

 同じ内容の古文書の存在は、これまでも知られていて、江戸時代中期には写しが作られていたという。県史や富士吉田市史には写しの写真が掲載されているが、実物の存在は確認されていなかった。堀内さんは、菊谷坊に実物の存在が伝えられていたことや、写しと同じ内容であることから、信虎が書いた古文書の実物と判断したという。

 堀内さんによると、現在までに確認されている信虎の花押は3種類あり、見つかった古文書に書かれた花押は最も後期のもの。同じ花押が書かれた実物の古文書は、これまでに3点しか見つかっていないという。

山梨日日新聞社 YBS山梨放送
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