富士山で繁殖「音の風景」異変

富士山で繁殖「音の風景」異変
 特定外来生物に指定されている「ソウシチョウ」が、山梨県側の富士山2合目周辺で夏場に繁殖していることが、都留文科大非常勤講師、西教生さんの調査で判明。長く大きなさえずりが特徴の鳥で、富士北麓の森のサウンドスケープ(音の景観)に影響を及ぼしているという。ソウシチョウが今後、増えることで在来種が減少する可能性もあり、西さんは「注意深くモニタリングしていく必要がある」と指摘する。

 西さんによると、ソウシチョウは中国南部や東南アジアなどに生息しているチメドリ科の鳥で、日本にはペットなどとして持ち込まれているという。現在は九州や四国、本州に広く分布し、標高千メートル程度のササ類が生い茂った落葉広葉樹林などに生息している。

 富士山麓では静岡側で1990年ごろに生息が確認されているが、山梨側の北麓地域で最初に生息が確認された時期ははっきりしていない。西さんは2007年に山梨側の富士山2合目付近でソウシチョウを確認。2009年5〜9月には鳴沢村の精進口登山道(標高約1300〜1550メートル)で調査し、巣や卵を見つけたという。

 2012年4月〜13年2月には、ほぼ1年を通して生息状況を調査。ソウシチョウは年4月に北麓地域へ飛来し営巣、繁殖した後、10月下旬に別の地域に移動していることが分かった。生息が確認された33地点で定点調査した結果、「目視と鳴き声から、少なくとも100羽以上は生息している」(西さん)という。

 ソウシチョウは群れで生息しているため鳴き声が聞こえやすく、ソウシチョウと生息地が重なるウグイスが天敵のカケスに見つかりやすくなるなど、在来種への影響が懸念されるという。また在来種との餌の競合やふんによる自然環境への影響なども懸念されている。

山梨日日新聞社 YBS山梨放送
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