富士山頂でCO2急上昇の訳

富士山頂でCO2急上昇の訳
 富士山頂で観測される二酸化炭素(CO2)の濃度が2013年までの約30年間で、およそ60ppm増えたことが、国立環境研究所地球環境研究センターの観測で明らかに。富士山頂のCO2濃度の上昇率は世界的な傾向とほぼ同様で、1800年ごろから1980年ごろまでのおよそ200年間のCO2濃度の上昇は50ppmほど。30年間で急激に上昇していることが富士山での観測からも判明したという。

 センターは2009年から毎日、富士山頂でCO2濃度を自動観測。富士山特別地域気象観測所(旧富士山測候所)を活用した研究の一環で、データを蓄積し、地球規模のCO2増加の予測に役立てる。

 富士山頂は高さ約1500メートル以上の「自由対流圏」と呼ばれる範囲にあり、地上の空気の影響をほぼ受けない。このため現在のCO2濃度を正確に捉えることができるという。

 観測では、富士山頂のCO2濃度は年々増加傾向にある。1981年10月に東北大が行った観測では8日間の平均CO2濃度は約330ppmだったが、2013年の同じ期間の平均はおよそ390ppmと、30年でおよそ60ppm増加。

 付近に大きなCO2発生源がないハワイ・マウナロアの観測結果と比較すると、ほぼ同じ値だが、夏は富士山の方が濃度が低く、冬は高い傾向にある。富士山の方が変化が大きい理由については「富士山では中緯度の東アジア地域のCO2の排出・吸収状況を観測している。冬は中国大陸でCO2の排出量が増加し、夏はシベリアなどで光合成が活発になり、CO2濃度が下がるのではないか」と説明する。

 調査を続けることで、CO2を大量に吸収・排出している地域を推定し、今後の増減についてより正確な予測が立てられるようになるという。

山梨日日新聞社 YBS山梨放送
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