山梨日日新聞:2010年06月21日(月)

富士山の山小屋 100年超す歴史紹介
16軒が今シーズンパネル展 


富士山吉田口登山道の山小屋を紹介するパネル展=富士吉田・富士山レーダードーム館
 
 富士山の山梨県側に16ある山小屋の名前の由来や所蔵する資料、エピソードを紹介するパネルが今夏、各山小屋に展示されることになった。「山小屋ミュージアム」と題した取り組みで、大半が100年以上の歴史を持つ山小屋の文化的価値を紹介する。

 パネルは今年初めて全山小屋が1枚ずつ作成。外国人登山客の増加を受け、英訳も添えた。夏山シーズン中に各山小屋が掲出し、登山客に楽しんでもらう。開山前に全パネルを集めた展示会を21日まで、富士吉田・富士山レーダードーム館で開いている。

 「富士山ホテル」のパネルによると、明治時代末期、当時の県知事が富士山を国際的観光地にしようと考え、同山小屋に2段ベッドの設置などを指導。コックを雇ってカレーライスをメニューに加え、斬新さを強調するため「ホテル」を名前に取り入れたという。

 また7合目「花小屋」は、6合目からの長い道程を経て「しょっぱな」の山小屋であるため、江戸時代には「端小屋」「鼻小屋」と表記されていた。その後「お花」という女性と縁があり、表記を改めたという。

 パネル作成の中心になったのは8合目の山小屋「太子館」の井上義景さん(30)。各山小屋への聞き取りや、郷土史資料などを参考に作成した。井上さんは「日本最高峰に登って帰るだけではもったいない。富士登山の新たな楽しみにしてもらいたい」と話している。


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