河口の稚児の舞(富士河口湖)映画化
伝統芸能見直す機会に
あす甲府で上映 担い手不足解消期待

更新日:2018年07月15日(日)

 富士河口湖町で受け継がれている国の重要無形民俗文化財「河口の稚児の舞」をモチーフにした映画「神楽鈴の鳴るとき」が完成し、16日、甲府市内で上映会が開かれる。舞手である女児を養子に迎えた夫婦が絆を取り戻し、家族の新たな形を模索するストーリー。第7回富士山・河口湖映画祭で準グランプリを獲得した増山修さんの脚本を実写化した。500年の歴史を誇る稚児の舞も少子化で担い手が減少しているといい、関係者は映画を通して、伝統芸能に光が当たることを期待している。

 物語は稚児の舞の舞手の女児が交通事故で父母を亡くしたところから始まる。舞手になるには伝統で「両親が健在であること」が条件。養子として引き取られ、舞手を務められることになったが、夫婦は関係が冷え切っていて離婚間近だった…。

 撮影は2016年に行われ、今年2月に急逝した俳優の大杉漣さんも出演。富士河口湖町内でもロケが行われ、舞手の女児を演じた浜田ここねさんが大石地区の稚児の舞で舞を奉納する様子がカメラに収められた。タイトルの題字は、甲府市在住の書家・石原美歩さんが執筆した。

 脚本を手掛けたのは、スタジオジブリの背景美術などを担当してきたことなどで知られる増山さん。原案から完成までには4年かかったといい、「時間をかけてでも良いものを作りたかった。伝統芸能の魅力を再発見するきっかけになればいい」と語った。

 稚児の舞の担い手は近年、少子化などで減少傾向にある。撮影に協力した「大石太鼓と稚児の舞保存会」の渡辺綱司会長(78)によると、当初は20人前後の子どもを確保できていたが、近年は8〜6人にまで減少。映画の中に出てくる「両親が健在」という条件は撤廃したという。渡辺会長は「地域で受け継いできた伝統芸能が、映画を通じて多くの人の目に留まり、舞手の育成につながれば喜ばしい」と話した。

 16日には山梨県立図書館で上映会が開かれる。午後1時半と同3時半からの2部制で、料金は千円。増山さんらによる舞台あいさつも予定されている。

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