富士登山者の3割転倒
富士山研調査
8割は下山道、防止策に活用

更新日:2019年02月09日(土)

 富士山に登った人の3割が転んだ経験があり、そのうち8割は下山道で転倒した−。こんな実態が、県富士山科学研究所の宇野忠主任研究員(生気象学)らが昨夏に実施した調査で分かった。調査は2020年度まで続け、結果を分析して転倒防止策につなげたい考えだ。

 調査は同研究所環境共生研究部の研究員ら8人が、昨年7月21、22、8月15、16の計4日間、富士山5合目の吉田口登山道泉ケ滝周辺で実施。山頂などから下山してきた802人に富士登山中の転倒の有無、年齢、性別、富士山を登った回数などを聞き、記入不備などを除く556人(男性345人、女性211人)の回答を分析した。

 転倒したと答えたのは167人で、延べ355回。複数経験した人も目立ち、「3回以上」は30人いた。転倒のタイミングは「下山中」が290回で最多。理由は「足を滑らせた」が160回で一番多かった。けがは、すり傷やねんざなど50件に上った。

 転倒経験者を性別でみると、男性85人(男性全体の24.6%)、女性82人(女性全体の38.9%)。登山回数では「初めて」が33.6%で、「2回以上」の22.8%より多かった。

 富士登山の転倒事故については地元住民から「下山中に転びやすい」との指摘が出ていた。今夏以降の調査では登山靴着用やストック使用の有無などを聞く予定で、データを基に「転ばない登り方」を提言する。

 宇野主任研究員は「国内外から多くの人々が富士山を目指す。調査を続け、安全な登山環境を整える情報を提供していきたい」と話している。

調査データを示す宇野忠主任研究員=富士吉田・県富士山科学研究所
調査データを示す宇野忠主任研究員=富士吉田・県富士山科学研究所
ページの先頭へ戻る