【ルポ】中部横断道 富沢−新清水間
トンネルの先に太平洋

更新日:2019年02月27日(水)

 3月10日に供用を開始する、中部横断自動車道富沢インターチェンジ(IC)−新清水ジャンクション(JCT)間が報道陣に公開され、中日本高速道路の案内で通行した。山間部を走るだけに、トンネル内の明かりの色を変えるなど、あらゆる所に事故防止の工夫が見られた。全てのトンネルを抜けると眺望が開け、視界に清水港が入ってきた。

 富沢ICから出発。右手には急峻な山、左手には富士川と南部町の町並みが見える。地上からおよそ40〜60メートルの高さを走っているといい、間近に迫る山の迫力と、富士川の流れを普段とは違う目線で見ることができる。

 「天気がいい日には富士山が見えます」。高山橋(静岡県)付近になると、担当者が教えてくれた。この日は曇りで隠れていたが、普段は雄大な姿を見せるという。高山橋付近は霧が立ちこめるといい、周辺からは雲海の上を通る高速道路と富士山の“競演”を楽しめるという。担当者は「雲の上を走る道」とPR。撮影スポットにもなりそうだ。

 ほとんどが片側1車線の対面走行。区間の8割がトンネルか橋りょうで、所々に安全対策が取られている。同区間の特徴である急勾配の道を進むと、道路中央に車線を区切るように設置された「ワイヤーロープ」が目に入ってきた。供用を開始している県内の中部横断道にはないもので、同区間には6カ所設置。対向車線への逸脱を防ぐ目的があるという。

 区間には8本のトンネルがある。中には全長が千メートルを超えるものもある。風景が変わらず、眠気を催す恐れもあるため、「アクセント照明」という対策も。トンネル中間地点の照明を紫色にしており、「ドライバーに『おっ』と思ってもらえれば」と担当者。漫然と運転することを防ぐのが狙いだ。

 気づくと下り坂に。左手に見えていた富士川は消え、両サイドから山が迫る。吉原北高架橋を越えると、“終点”の新清水JCTに到着。接続する新東名を通る車の多さに圧倒される。担当者の案内に従って、高台に移動すると、清水港をゆったりと動く船が見えた。山梨県では見られない光景。海との距離がぐっと近づいたと感じた。

新清水ジャンクション付近から望む清水港(奥)=静岡市清水区
新清水ジャンクション付近から望む清水港(奥)=静岡市清水区
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