外国人客想定し避難訓練
観光客増、県が防災対策強化
事業者用指針も改定

更新日:2019年03月06日(水)

 山梨県内を訪れる外国人観光客の増加を受け、県は来年度、防災対策を拡充する。外国人観光客らを想定した避難訓練を実施し、観光事業者らに配る外国人旅行者の災害時対応マニュアルを改訂する。富士山の世界文化遺産登録などを受け、県内は昨年の外国人延べ宿泊者数が初めて200万人を突破。災害発生時の外国人被災者への対応は喫緊の課題になっている。県内は富士山噴火や大規模地震などが想定され、県国際観光交流課は「外国人が安心して県内観光ができる体制を整える」としている。

 県国際観光交流課によると、訓練は県内在住の外国人や、実際に観光で訪れている外国人の参加を検討。県の国際交流員が外国人観光客役になってきた従来の訓練とは異なる要素を取り入れる。実施時期や場所を含めた訓練計画の設定を進める。

 災害時の外国人旅行者対応マニュアルの改訂にも着手する。マニュアルは2015年に4千部を作成し、各市町村や県内の観光・宿泊施設に配った。「従業員の指示には必ず従ってください」など災害発生時の対応例文を英語、中国語、タイ語で記載しているが、英語圏、中国語圏以外の外国人観光客が増加し、対応言語を増やすなどして充実させる。

 日本語を十分に理解できない外国人に対し、災害情報を多言語に翻訳して届ける拠点の整備も検討。支援情報を分かりやすく整理して提供するコーディネーターの育成、外国人被災者が求める情報が速やかに行き渡るよう体制の構築も進める。

 県観光部によると、18年の山梨県内の外国人延べ宿泊者数は前年から3割増の218万9050人で、初めて200万人を超えた。20年に東京オリンピック・パラリンピックを控え、県は今後も増加を見込む。昨年9月の北海道の地震や大阪・関西空港の浸水を受け、日本観光に不安を感じる外国人もいて円滑に安全が確保できる体制を整える。

 同課などによると、県は昨年、富士吉田市内で地元住民らを対象に避難訓練を実施。県の国際交流員が外国人観光客、地元の高校生らが通訳ボランティアの役で避難手順などを体験。多言語での対応や日本人の細やかな心配りの必要性などを確認したという。

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