富士山入山料、5合目の先は全員
今夏から観光客も
山梨、静岡作業部会

更新日:2019年03月07日(木)

 富士山の登山者から任意で徴収している富士山保全協力金(入山料)について、山梨、静岡両県や地元関係者らでつくる富士山世界文化遺産協議会作業部会は6日、今夏から徴収対象を原則として5合目から上に入る全ての人に拡大することを確認した。19日の同協議会で正式決定する見通し。対象を明確にすることで徴収額と協力率のアップを目指す。支払いは義務化せず、任意を維持する。詳細な徴収場所や人員配置などは山開きまでに検討するが、対象者への周知が課題になりそうだ。

 同日に静岡県富士市内で開かれた作業部会で、事務局の両県が示した。徴収対象を「5合目から山頂を目指す登山者」から「5合目から先に立ち入る来訪者」に変更。各登山道に設ける基準点から上に向かう全員に支払いを求める。吉田口登山道の基準点は、5合目ロータリーから6合目に向かう途中の泉ケ滝に設定する。

 入山料の徴収を巡っては、昨年10月の作業部会で有識者による「富士山利用者負担専門委員会」で検討することを決定。協力率が低迷する入山料の在り方を検証してきた。この日は事務局が専門委で協議してきた内容を説明。変更点を提案、了承された。

 事務局は対象を拡大する理由について「昨年までは徴収ゲートで観光客と登山者が混在し、協力を呼び掛けづらかった。対象を明確にして徴収額の増加と協力率の向上につなげたい」と説明した。

 出席者からは「麓から登山する人も増えている。5合目以下も徴収するべきだ」「徴収金額を500円に設定し、協力を呼び掛けた方が徴収金額が増えるのではないか」などの意見が出た。事務局は「今後、継続的に審議していく」とした。

 入山料は昨夏、徴収開始から5年を迎えた。昨年の山梨県側の協力率は58.6%。過去5年の協力率の平均は約6割にとどまる。静岡県側も過去4年間の協力率は5割弱と低調で、両県は協力率を上げるため協議を重ねてきた。

 徴収対象の拡大について、山梨県世界遺産富士山課の入倉博文課長は「しっかりと周知し、混乱がないように対応する」と説明。「(吉田口登山道は)6合目付近まで歩く観光客は多い。徴収額を増やし、さらに安全対策や環境保全に活用したい」と話した。

富士山保全協力金(入山料)
 山梨、静岡両県が富士山の環境保全や安全対策の財源にするため、登山者に任意で1人千円の支払いを求める制度。2014年に本格導入された。山梨側で協力した登山者の割合(協力率)は14年が68.0%、15年が52.9%、16年が64.5%、17年が56.9%、18年が58.6%と推移している。

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