富士、山開き登頂できず
登山道、石積み崩落
県「10日までに復旧」

更新日:2019年06月21日(金)

 富士山の山頂付近で神社の石積みが崩れ登山道をふさいでいる問題で、山梨県側の山開きである7月1日に山頂まで登頂できない見通しとなった。県が地元関係者に対し、同10日までの復旧を目指す方針を示した。吉田口登山道から入山した場合、山頂手前で折り返すことになる。山開きと同時に、山梨県側から山頂まで行けないのは2009年以来。地元関係者からは登山客の減少を懸念する声が上がっている。

 関係者によると、県担当者が今月20日までに、地元関係者に対し、山梨側の山開きまでに復旧工事を完了させることは困難であるとの見通しを伝え、静岡県側の山開きである7月10日までの復旧を目指す考えを示した。

 崩落現場は吉田口、須走口両登山道が合流した山頂直下の登山道。昨年10月の台風の影響とみられ、久須志神社付近で階段状に積まれていた溶岩などが幅10メートルの範囲で崩れた。復旧工事が山開きまでに終わらなければ、山開きと同時に山頂に登ることはできない。

 地元関係者によると、崩落は大規模で、標高の高い場所での復旧作業は時間を要することから、「当初から山開きまでの工事完了は困難とする見方が強かった」(山小屋関係者)という。

 一方、7月10日に山開きする静岡県側の3ルートのうち、御殿場口、富士宮口両登山道から同日以降の登頂は可能。10日までに復旧できなければ、須走口からの登頂にも影響が出ることになる。

 山梨、静岡両県は今月17日に崩落が判明してから初めて現場を調査。確認した被害状況などを基に詳細な工事内容の検討を進めている。同19日には山小屋関係者との会議を開き、崩落現場の被害状況を説明した。

 県世界遺産富士山課の担当者は「工事内容が固まっていない。山開きまでに復旧工事が終わらない可能性があるが、具体的なスケジュールを示した事実はない」と説明している。

 山開きと同時に山頂まで登山道を開通できない場合、2009年以来となる。富士山が世界文化遺産に登録されてからは初めて。山小屋経営者の一人は「宿泊客が減少し、営業に影響が出るだろう。早く山頂まで行けるよう、工事を進めてほしい」と話した。

 吉田口登山道沿いの山小屋でつくる富士山吉田口旅館組合は20日までに、ホームページ(HP)で山開きと同時に山梨県側から山頂まで行けない可能性があることを周知した。

 富士吉田市の堀内茂市長は20日の取材に「県から正式な連絡はないが、登山者の安全が最優先。安心して登山してもらう状態を整えるためには、山開きに間に合わなくてもやむを得ないだろう」と語った。

崩れた石積みでふさがれた、富士山頂直下の登山道(中央)=山日YBSヘリ「ニュースカイ」(NEWSKY)から(11日)
崩れた石積みでふさがれた、富士山頂直下の登山道(中央)=山日YBSヘリ「ニュースカイ」(NEWSKY)から(11日)
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