河口湖、梅雨入り後も水位戻らず
夏の渇水、気をもむ農家
ボート大会開催不安視

更新日:2019年06月22日(土)

 富士河口湖町の河口湖で梅雨入り後も水位の低下が解消されず、農業やボート競技への懸念が広がっている。湖からポンプで農業用水を引いている地元のコメ農家は「さらに水位が下がれば、必要な水が確保できなくなる」と心配。秋にはボートの関東選抜大会が予定されているが、現状では開催が難しいとみられ、大会関係者は「別会場の確保も検討する必要がある」と気をもむ。一方、南岸の近くの沖にある浮島は地続きの状態が継続。過去には新たな観光スポットとして大勢の観光客が押し寄せており、地元観光業者は夏の観光シーズンに向けて「再現」を期待している。

 町地域防災課などによると、河口湖の水位低下が顕著になったのは4月末ごろから。今年2〜4月の降水量は184ミリと平年値(264.5ミリ)を大きく下回り、県富士山科学研究所の研究員は「雨量の少なさが水位低下の原因の一つ」と指摘する。

 県内は7日に梅雨入りしたが、水位が戻る気配はない。河口湖の5月の降水量は平均を12.3ミリ上回る136ミリ、今月は20日現在で169ミリを観測したものの、21日現在の水位は基準水位からマイナス2.9メートルと、4月末からほとんど変化がない状況となっている。

 同課の担当者は「気温の上昇で周囲の山に降った雨水が乾き、湖に十分に流れ込んでいないのではないか。過去の傾向からも、台風でまとまった雨が降らないと水位は上がらない」との見解を示す。

 同町河口地区のコメ農家からは、農業用水への影響を懸念する声が上がっている。周囲に川がない同地区は河口湖の水をコメ作りで利用しているが、さらに水位が下がれば、配水管が湖水に届かなくなり、水のくみ上げができなくなる恐れがあるという。

 農業用水を管理している河口地区総合土地改良区の三浦寿夫理事長は、「これ以上水位が下がれば、ポンプを増設しなければならない。設置や維持費には100万円以上かかるので痛手になる」と心配している。

 影響はボート競技にも及んでいる。2、3年前の減水時にはボート場の桟橋周辺の水がなくなり、秋に開かれる伝統の「河口湖レガッタ」が中止になった。県ボート協会事務局の担当者は今年の大会について「現状の水位では使える桟橋が限られる。今回も開催は期待できない」と話す。

 10月末にはボートの関東選抜大会も控えており、県高体連ボート専門部の萱沼徳重委員長は「水位がさらに20〜30センチ下がると開催は難しい」と指摘。「桟橋を延長するか、別会場での開催を検討する。今は成り行きを見守ることしかできない」

 一方、水位低下で南岸の近くの沖にある浮島は4月下旬から地続きになり、観光客らが浮島まで歩いて渡る姿が見られる。過去に減水した際には、史跡保存施設の六角堂がある浮島が観光スポットとして脚光を浴び、例年を上回る観光客が訪れたという。

 湖畔のボート業者は「2年前はボートの利用客が増えた。夏の観光シーズンに向けて、また注目を集める場所になれば」と期待した。

減水の影響で地続きとなっている浮島=山日YBSヘリ「ニュースカイ」(NEWSKY)で河口湖上空から(11日)
減水の影響で地続きとなっている浮島=山日YBSヘリ「ニュースカイ」(NEWSKY)で河口湖上空から(11日)
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