2022.9.04

富士山噴火備え徒歩避難を訓練

山中湖で初、経路を確認

 山中湖村は「防災の日」の1日、富士山噴火を想定した住民の徒歩避難訓練を、県内市町村で初めて実施した。富士山火山防災対策協議会が3月に発表した中間報告で、一般住民は原則徒歩で避難するよう求めたことを受けた対応。参加者は自らの足で避難路などを確かめていた。

 1日午後1時50分に、富士山東側の小富士付近で噴火が起きたとの想定で実施。溶岩流が到達する恐れのある山中地区の一部の住民を対象に防災無線などで避難を呼びかけた。

 住民は歩いて自宅などから避難所に指定された山中小や村役場に避難。手をつないだ親子や、杖をついた高齢者が避難所に向かう姿が見られた。避難所では避難者名簿に氏名や住所などを記入し、備蓄食料や水などを受け取った。村総務課によると、19人の住民が徒歩避難した。

 一方、徒歩での避難が難しい人への対応訓練も実施。村職員が足が不自由な人や車いすを利用する人に扮し、湖に用意した避難用の船に誘導する手順などを確認した。

 村の本多秀行防災専門官は「溶岩流が流れてくる恐れのある地域に住んでいる人に、『溶岩流が来る』ということを認識してもらい、訓練を通じて溶岩流からの避難の仕方を理解してもらいたい」と話していた。

(2022年9月2日付 山梨日日新聞掲載)

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