2018.3.02

崩落 IoTで観測 県と4社、災害防止へ機器開発 

 山梨県産業技術センターと県富士山科学研究所は新年度、日本工営(東京)や京セラ(京都)など県内外の民間企業4社と共同で、雪崩や土砂災害による斜面崩壊の発生時間や状態を把握するため、IoT(モノのインターネット)観測機器の開発を始める。同センターなどが本年度までに開発した雪崩検知装置をベースに、太陽光発電システムやカメラを搭載。通信機能で常時データを収集し、富士山や山間部での斜面崩壊による災害防止に役立てる。
 同センターによると、雪崩は発生後に発見されることが多く、発生条件やメカニズムは未解明の点が多い。一方、土砂崩れの観測装置はあるが、ワイヤーセンサーは高額で設置に数日かかり、崩落後は観測機器の回収が難しいなどの欠点が指摘されていた。
 同センターと同研究所は2015~17年度、雪上に設置し、崩落後に回収可能な空気注入式の観測装置を開発した。ウレタンフィルム製の円柱の中に耐衝撃性のあるスマートフォンを入れ、雪崩や崩落が起きそうな場所に木製のくいで地面に差して設置。崩落の勢いで装置がはね飛ばされ、発生時間や崩落方向などが分かる仕組み。
 新たな研究では、開発した観測装置に、テクノナレッジ・システム(東京)のシート状の太陽光発電装置を搭載。自立電源による1~3カ月の稼働を目指す。耐衝撃性のあるスマートフォンを手掛ける京セラのアドバイスを受け、システム開発のコズモウェイ(甲府市)が観測ソフトを開発。カメラを搭載し、スマートフォン内蔵の加速度センサーや位置情報のデータを高速通信回線でクラウド上に送信する。建設コンサルタントの日本工営が山間地での実証試験に協力する。
 18年度は試作機開発、19、20年度は量産試作に取り組む。同センターの宮本博永主任研究員は「データやノウハウを蓄積し、県の防災と技術力向上に役立てたい」と話している。

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