2018.3.16

富士急 メダルに挑む 攻撃的戦術で勝負 カーリング世界選手権17日開幕

初出場となる世界選手権で表彰台を狙う富士急=山中湖・カールプレックスフジ

 平昌冬季五輪に続き、日本勢のメダル獲得なるか-。カーリング女子の世界選手権は17~25日、カナダで行われ、富士急(小穴桃里、石垣真央、小谷優奈、小谷有理沙、西室淳子)が初出場する。平昌五輪金、銀メダルチームなど強豪を相手に、持ち味の正確なショットで表彰台を目指す。
 富士急は1~2月に行われた日本選手権を初めて制し、世界切符を獲得。攻撃的な戦術が武器で、日本選手権では不利な先攻でも攻め、相手に重圧をかけて得点を重ねた。
 1番目に投げるリードを高校生の小谷有が務め、石垣がセカンド、小谷有の姉の小谷優がサードに入る。勝敗の鍵を握るフォースは創設時からチームを支える小穴。小穴はスキップとして、司令塔の役割も果たす。昨季までフォースでチームリーダーの西室は妊娠のためリザーブに回った。
 大会は13チームによる総当たり戦を行い、上位6チームがプレーオフに進む。平昌五輪金メダルのスウェーデンチームや銀メダルの韓国チーム、強豪のカナダ、スイスなどを相手に勝ち星を積み上げられるか。
 2016年大会は平昌五輪銅メダルのLS北見が出場し、銀メダルを獲得。小穴は「日本代表として出るからには結果が求められる。苦しい試合ばかりだと思うが、しっかりと勝ってメダルを目指す」と意気込んだ。
◇小谷有理沙 戦術眼優れる高校生
 高校生離れした正確なショットが武器。スキップを補佐するバイススキップとして戦術面での評価も高い。
 相模原市出身。工学院大付高(東京)の2年生で、今季からチームに加わった。小学2年から競技を始め、小穴桃里、姉の優奈と同じ山中湖メープルカーリングクラブで腕を磨いた。
 今季途中に控えからリードに回った時は「プレッシャーがあった」。日本選手権もかなり緊張したというが、表情には見せず、優勝に貢献した。
 縦に二つガードストーンを置くことが得意。曲がりとスピードをコントロールする必要があり、高い技術が求められるが「簡単にやってのける。彼女は天才」と、西室淳子は実力を高く評価する。
 毎週金曜日の放課後になるとホームリンクのカールプレックスフジに向かい、練習を重ねる。「スキップの指示通りに投げられるようにしたい」と静かに闘志を燃やす。
◇石垣真央 正確ショットで貢献
 正確なショットでチームを支える。
 カーリングのメッカ・北海道常呂町出身。吉村紗也香(北海道銀行)らとチームを組んでいた常呂高時代の2009、10年日本選手権で準優勝。バンクーバー五輪代表選考会でも3位に入って注目を集めた。
 札幌国際大を経てチーム・ヒトコミュニケーションズで活動したが、15~16年シーズンを最後に活動を休止。西室淳子の誘いで16年に富士急に入った。
 ハウス(円)内にストーンを置くドローショットを得意としている。今季はリードから、ストーンをはじき出す「テークショット」がメインとなるセカンドに変わり、「戸惑った」。それでも集中的に練習し、日本選手権では安定したショットを見せた。
 「雰囲気にのまれないことが大事」。世界ジュニア選手権、ユニバーシアードなど豊富な国際経験を生かしていくつもりだ。
◇小谷優奈 力強いスイープ武器
 チームのムードメーカー。氷をブラシで掃いてストーンの距離や方向を調整する、力強いスイープに定評がある。
 相模原市出身の19歳。ジュニア時代は山中湖メープルカーリングクラブでプレー。2015年1月にチームに入ってから昨季までは高校に通いながら週末は山梨で練習した。昨春に富士急に入社し、「カーリングに集中できるようになった」。
 今季、2歳下の妹・有理沙が加入。ポジションはセカンドからサードに変わったが、「やることは変わらない」。日本選手権準決勝の中部電力戦の第5エンドでは、二つのストーンを同時にはじき出す「ダブルテークアウト」でチャンスを演出した。
 「憧れている」という腹筋が割れた女性カーラーの画像がスマートフォンの待ち受け画面。「世界のすごい選手と試合できるのが楽しみ。練習してきたことを出し切りたい」。得意のスイープとテークショットでチームの勝利に貢献する。
◇小穴桃里 日本屈指の「司令塔」
 チーム最年少の15歳で、創設会見に臨んでから8年。制服姿であどけない表情を見せていた少女は、日本屈指の司令塔に成長した。
 甲府市出身。日本カーリング協会理事の父の影響で小学2年から競技を始めた。山中湖メープルカーリングクラブで、チーム「富士急」創設者の故小林宏さんから指導を受け、力を付けた。
 2012年からは作戦などを決めるスキップに。投げる順番もセカンドからサードに上がり、今季は得点の鍵を握るフォースを担当する。攻撃的な戦術と勝負強さが増したショットで、日本選手権でも圧倒的な存在感を放った。
 西室淳子が「本当に研究熱心」と語るほどのカーリングマニア。平昌冬季五輪の試合も仕事の合間に映像を見て研究を重ねてきた。
 初の大舞台。「プレーで引っ張るのが自分の役目。22年北京冬季五輪出場に向けての足がかりにしたい」
◇西室淳子 日本一へチーム導く
 創設時からチームを引っ張るリーダー。世界選手権ではチームに帯同せず、日本から声援を送る。
 1998年長野冬季五輪のカーリング会場となった軽井沢町出身。ジュニア時代から活躍し、チーム長野の一員として2005年の日本選手権で優勝し、翌年の世界選手権に出場した。
 ただ五輪とは縁がなく、バンクーバー五輪出場を逃した後にチーム長野が解散。前GMの故小林宏さんから誘われ、加入した。
 昨季までフォースとして勝負強いショットを見せてきた。時には厳しい言葉を掛け、関東選手権を勝ち切れなかったチームを日本一まで導いた。
 今季途中に妊娠が分かり、チームを離れて3カ月。「日本選手権では大きな成長を感じた。世界に通用するチームになったと思う。心配はあるが、彼女たちならやってくれる」。上位進出を信じている。
〈富士急の試合日程〉
▽18日午前8時~ ドイツ
▽19日午前3時~ デンマーク
▽   午前8時~ スイス
▽20日午前3時~ 米 国
▽  午後10時~ 中 国
▽21日午前3時~ ロシア
▽  午後10時~ スコットランド
▽22日午前8時~ イタリア
▽  午後10時~ スウェーデン
▽23日午前8時~ 韓 国
▽  午後10時~ カナダ
▽24日午前3時~ チェコ
(予定、日本時間)

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