2018.4.21

富士山頂での研究 継続 NPO法人、活動費確保にめど 

 富士山頂の富士山特別地域気象観測所(旧富士山測候所)で、NPO法人「富士山測候所を活用する会」が毎年夏に実施している研究・観測活動が今季、継続の見通しとなった。活動費に充てる財団などからの助成金が減り活動が危ぶまれていたが、資金確保に一定のめどが立ったため。今夏も国内最高峰で25の調査研究に当たる予定だ。
 資金は財団や企業の助成金を中心にして賄ってきたが、近年は大口援助の打ち切りが相次ぎ、2015、16年度の約1千万円から17年度は300万円に落ち込んだ。
 今シーズンも状況は変わらず不透明感が漂っていたが、3月末になって前年とほぼ同額の約300万円の助成が決まった。また、大学などの研究機関や企業が測候所を使用する際、同会に支払う料金体系を見直し、収入が増える見通しとなったことで活動継続の道が開けた。
 測候所の調査研究期間は毎年7、8月の2カ月間。研究者が「永久凍土」「噴火予知」「大気電気学」などをテーマに観測活動を行っている。
 ただ、現状の資金状況では「活動期間の短縮も検討せざるを得ない」(同会理事)ため、今後も各種助成金制度に応募したり、企業や個人から寄付を募ったりしていく考え。
 同会理事で広報委員長の土器屋由紀子江戸川大名誉教授は「富士山頂でなければ得られないデータがある。研究成果をアピールし、今後も活動が続けられるよう取り組んでいく」と話している。
◆富士山特別地域気象観測所
 標高3776メートルの最高点・剣ケ峰に立地。前身は気象庁の「富士山測候所」で、常駐観測していたが2004年に無人化された。同所で調査研究をするため、05年11月に専門家らがNPOを設立。同庁から施設を借り受け、07年以降、大気汚染や高山病、火山予知など20~30の調査研究を続けている。

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