2018.5.04

噴火備え 患者避難指針策定へ 富士吉田市立病院 年内に策定 

 富士吉田市立病院(富士吉田市上吉田、松田政徳院長)は12月をめどに、富士山噴火に備えて入院患者の避難マニュアルを策定する。富士山噴火の広域避難計画は、富士北麓地域の住民約9万5千人は国中地域などへ避難するとしているが、入院患者らは含まれていない。受け入れ協定を結ぶ避難先の病院を示すなどして患者の安全を確保する。
 病院や同市によると、2004年に策定された富士山噴火に備えたハザードマップ(危険予測地図)では、同病院は溶岩流が3~24時間で到達する「第3次避難対象エリア」に位置している。
 16年に県富士山科学研究所の調査で、富士吉田市街地近くの溶岩洞穴「雁ノ穴」が噴火口と特定された。国天然記念物の同洞穴と同病院の距離は約2キロ。噴火口に特定されたことなどで改定されるハザードマップでは「溶岩流の到達時間が早まる可能性がある」(同病院)として、マニュアルを作ることにした。
 同病院によると、病床数は304床で平均すると約8割の利用率という。マニュアルは噴火時に病院から避難することを前提とし、噴火警戒レベルに合わせて入院患者の搬送病院や方法を盛り込むことを想定している。
 策定に当たって近隣病院に協力を求め、患者の受け入れについて協定を結ぶ方針で、避難時の具体的な交通手段やルートも検討する。噴火情報の収集方法も関係機関と相談して決める。
 病院や福祉施設などが噴火に備えて避難マニュアルを作る動きについて、同市富士山火山対策室は「県や国にも相談し、災害弱者の安全が確保できる避難の在り方を検討する必要がある」としている。
 松田院長は「富士山周辺の病院で噴火に特化した避難マニュアルの策定は例がないのではないか。いつ発生してもおかしくないとの認識を持ち、患者の命を守るマニュアルを作りたい」と話している。

広告
月別
年別