2019.3.20

「近くの火口」に危機感 富士山噴火想定 自治体 避難計画見直しも

富士山噴火の想定火口範囲

 改定作業が進む富士山噴火ハザードマップ(危険予測地図)で、想定される火口のエリアが大幅に拡大される見通しになった。火口近くには不特定多数の人が訪れる施設が点在。溶岩流はこれまで予想された場所よりも遠くまで到達する見通しだ。自治体は避難計画の改定を余儀なくされそうで、担当者は「対策を急ぎたい」としている。
 19日に公表された中間報告では、想定火口に「雁ノ穴火口」(富士吉田市)や「北天神火砕丘火口」(鳴沢村)などが追加された。想定される火口範囲は大幅に拡大。山梨側では富士吉田市で北東側に細長く伸びるように広がる。
 検討委員長を務める藤井敏嗣県富士山科学研究所所長によると、溶岩は谷や川など低い方向に流れる傾向がある。谷に流れ込むなどした場合、溶岩は現行マップよりも狭い範囲で遠くの地域に流れる可能性が高いという。これまでの避難計画で位置付けた範囲よりも遠い地域が避難対象に含まれる可能性もある。
 「溶岩流が早く流れてくる可能性が出てきた。ハザードマップの改定を前にできる対策を講じたい」。富士吉田市の防災担当者は市街地に近い「雁ノ穴火口」が想定火口に入ったことに危機感を募らせる。
 雁ノ穴火口近くには道の駅富士吉田や市立病院、高齢者施設など多くの人が集まる施設があり、担当者は「(各施設の)避難計画の作成などが迅速に進むよう働き掛けたい」。県富士山科学研究所の研究員などと連携を図り、「有事の際にはしっかりと情報発信できるようにしていきたい」と話す。
 想定火口範囲は東富士五湖道路付近まで広がる。同道路を管理する中日本高速道路八王子支社の担当者は「内容を精査して、必要な対策について検討したい」とする。「北天神火砕丘火口」がある鳴沢村の担当者は「改定までは現行のハザードマップを基本に避難するが、火口範囲が広がったという認識を持ち、対応していきたい」と話している。

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