2019.4.11

紙幣刷新 本栖富士、一葉が引退 ゆかりの地、惜しむ声 北斎所蔵の県立美術館「注目集まる」

現在の千円札の裏面に採用されている絵の基になった、とされる写真の撮影地から望む富士山と本栖湖=身延町中之倉

 政府が1万円、5千円、千円の紙幣を刷新すると発表したことを受け、現千円札のモデルになった写真の撮影地とされる身延町や、樋口一葉の両親の出身地である甲州市の住民からは9日、「さみしい」「時代の流れ」と残念がる声が上がった。一方、新図案に採用された「冨嶽三十六景」を所蔵する県立博物館の関係者は「注目が集まる」と期待感を示した。
 身延町の中之倉峠は天候に恵まれれば、湖に映る「逆さ富士」を見ることもでき、写真家岡田紅陽が現千円札のデザインの基になった「湖畔の春」を撮影した場所とされる。
 長崎幸太郎知事もこの日の定例会見で「デザイン的には現在の千円札がベストだが仕方ない。いつかは山梨県側の富士山に戻ってくれると期待している」と話した。
 一方で、新千円札の図案に採用された、葛飾北斎の浮世絵「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」は山梨県立博物館と東京国立博物館の所蔵品が参考資料となった。
 県立博物館は「所蔵品が紙幣のデザインに採用されるのは名誉なことで、作品の質が高いことの証し。県として誇るべき財産であり、有効に活用したい」とコメント。光などで傷むため公開時期は限られ、現在は展示されていないが、「原資料は注目が集まるので県民に公開する機会を設けることを検討したい」としている。

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