2019.4.19
クニマス展示増、36匹 西湖ネイチャーセンター 養殖技術向上で県が追加

水槽にクニマスを移す岡崎巧支所長=富士河口湖町西湖
養殖に取り組む県水産技術センター忍野支所によると、これまでふ化した稚魚の1年後の生存率は3割にとどまっていた。昨年3月から従来の人工配合飼料に加えて小型の甲殻類の一種「ブラインシュリンプ」を与えたところ、生存率が9割に向上。その後も順調に成長していることから追加展示を決めた。
この日搬入されたクニマスは、2017年12月に人工授精し、18年2月ごろにふ化した未成魚で、体長は13~15センチ。同支所からビニール袋に入れて運ばれ、展示館の水槽内で水温調整した後に放たれた。
展示館は16年4月にオープン。当初は10匹を飼育していたが、寿命などから現在までに6匹に減っていた。秋田県の「田沢湖クニマス未来館」にも10匹を貸し出していたが、衰弱死が続き、3匹まで減少。秋田県から新たに貸与の要請を受けており、24日に30匹を送る。
同センター忍野支所の岡崎巧支所長は「国内でクニマスを展示しているのは2カ所だけ。多くの人が観察できるよう、これからも研究を進めていきたい」と話している。

ビニール袋から放たれ、水槽を泳ぐクニマス=富士河口湖町西湖
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