2019.5.23

富士登山鉄道、2年で構想 長崎知事、今夏に検討会設置 

富士山登山鉄道を巡り、有識者らが意見を交わした勉強会=東京・都道府県会館

 長崎幸太郎知事は22日、富士山の麓と5合目をつなぐ「富士山登山鉄道」の建設の可否を検討する有識者らの検討会を立ち上げ、2年後をめどに基本構想をまとめる考えを示した。政財界などの有識者を集めて同日に開いた勉強会で、検討に賛同する意見が相次いだことを受けた対応。検討会は夏にも設置し、勉強会メンバーに加え地元関係者にも参加を求め、環境への影響や経済効果などを検証する。敷設に踏み切る場合は、基本構想にルート案などを盛り込む見通し。長崎知事は「知事選公約の実現の観点からも最大限努力する」と強調した。
 この日は、東京都内で勉強会を開き、富士山世界遺産国民会議の青柳正規理事長、首都大学東京の島田晴雄理事長、首都高速道路の宮田年耕社長ら14人が参加した。
 長崎知事はあいさつで「富士山登山鉄道の検討は(知事選で)公約に掲げて県民に広く支持してもらった。公約実現に向けても最大限努力したい」とあいさつ。富士山への鉄道敷設に関わる課題を洗い出すために、検討会を設置することについて出席者に意見を求めた。
 出席者からは「大変賛成だ」(島田理事長)などの意見があり、異論はなかった。県富士山科学研究所の藤井敏嗣所長は「噴火の際、登山者を避難させるには鉄道の方が便利だ。5合目まで電気が通ることは重要で、(噴火の兆候把握に)必要な観測点を充実させることもできる」と述べた。
 設置する検討会は「富士山登山鉄道構想検討会」で、勉強会のメンバーを理事や顧問とし、観光や運輸、地元経済界の代表者に委員として参加を求める方針。富士山に鉄道を敷設する工事について、技術的な課題や自然環境に与える影響、防災対策、開発の制御を求める国連教育科学文化機関(ユネスコ)の考え方と相違がないかなどを検討する見通しだ。
 検討会は年度内に中間とりまとめをする予定。実現可能性がある場合、2年後をめどにルート案を含めた基本構想を策定する考えを示した。長崎知事は勉強会終了後の取材に「鉄道を敷設するべきかを検討会で確認し、その上で地元との調整に入る」とした。
 建設する場合の実施主体について長崎知事は「民間投資を主体にしたい」との考えを示した。知事選で富士山登山鉄道構想の検討を公約に掲げたことを踏まえ「検討を進めるのは有権者に対する約束で、これまでの県の富士山登山鉄道の検討とは位置付けが違う。真剣に議論を進めたい」と話した。

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