2019.5.31

富士山、山開きの登頂困難か 石積み崩落復旧に時間 

崩れた石積みで覆われた登山道=富士山の山頂直下(昨年秋撮影、山梨県提供)

 富士山の山頂付近で神社の石積みが崩れ、登山道をふさいでいる問題で、山梨県は30日、登山道の開通時期として山開き(7月1日)後の同月第2週とするスケジュールを示した。石積みでふさがれている登山道の復旧工事が終わらない見通しのため。10年ぶりに山開きと同時に山梨県側から山頂まで行けない可能性があり、地元関係者からは早期開通を求める声が上がっている。山梨側から山頂に行けない場合、「一部の登山客が7月10日の静岡県側の山開きを待たず、静岡側から山頂への登山を強行する」との懸念も出ている。
 登山道の開通時期は、県が30日に富士吉田市内で開いた静岡県や富士吉田市の担当者、山小屋関係者との会議で示した。スケジュールによると、6月中旬から崩落現場を現地調査し、工事方法を決定。工事完了と登山道開通は7月第2週(7~13日)と設定した。スケジュール通りなら、山梨側の吉田口から山開き(1日)に山頂に登ることはできない。
 崩れた石積みでふさがれている登山道は静岡県側にあり、吉田口、須走口両登山道が合流した山頂直下の登山道。昨年10月、山頂にある久須志神社付近に幅10メートル以上にわたって積まれていた溶岩などが崩れた。直後に雪が降り、今も標高の高い場所には残雪があるという。
 関係者によると、崩落は大規模である上、標高の高い場所での復旧作業は時間を要すとして、崩落が明らかになった当初から7月1日までの工事完了は困難とする見方が強かったという。
 山開きと同時に山頂まで登山道が開けられない場合、2009年以来となる。富士山が世界文化遺産に登録されてからは初めて。山小屋関係者からは「開通が遅れれば、集客に影響する」と懸念する声も出ている。
 山小屋関係者の一人は「山開きと同時に山頂まで行けるのが一番で、早期の復旧を願っている。ただ、登山者の安全を確保するのが最優先だ」と話す。
 7月1日に吉田口、須走口両登山道から山頂に行けない事態となれば、同10日の静岡側の山開きを前に「御殿場口、富士宮口両登山道から山頂を目指す登山客が出てくる恐れがある」との見方も。富士吉田市の堀内茂市長は取材に、「静岡側から登ることはしないでほしい。危険な事故が起きかねない」と訴えた。
 県世界遺産富士山課の担当者は「まだ現場を確認していない中で、スケジュールは可能性の一つとして示した。県としては山開きに間に合うよう早急に現場の状況を確認し、対応したい」と話した。

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