2019.6.06

忍野の地下水、量や由来調査 地球研と協定、水資源を適正利用 

学術協定に調印した天野多喜雄村長(左)と安成哲三所長=京都市の総合地球環境学研究所

 総合地球環境学研究所(地球研、京都市)は、忍野村の地下水や忍野八海の水質などを調査している。主に富士山の伏流水とされる地下水の流れ方や貯水量を把握し、水資源の適切な利用につなげるのが目的。村は調査結果を受け「忍野の水」として売り出すなど活用策を検討する。
 地球研は、国立歴史民俗博物館などで構成する人間文化研究機構の一機関。環境問題を探究し、生活や自然の在り方を提示することを目的に2001年に設立された。
 同村は村にある池や川、湧水の清らかなイメージを生かして、村内の水を将来的に飲料水として商品化することを視野に入れている。このため、地下水の成分や流れ方、貯水量を正確に把握するため、県富士山世界遺産センターなどを通じて地球研に研究を依頼。16年秋から調査が始まった。
 地球研は地下水や井戸水などを採取し、化学的性質は同じでも原子の質量が異なる同位体を調査。それぞれの水位も調べ、水の流れが村の西側地域では富士山から忍野八海方面に、東側地域では道志山系から西側に向かっていることを確認した。本年度からは地下貯水量についても調べている。
 忍野八海でも定点観測による水質調査や地下水、湧き水の滞留時間の解析を進めている。
 村と地球研は4月、計画的な調査や研究を続けるために学術協定を締結。水の研究以外でも、まちづくりや地域振興など他分野での連携も考えているという。
 天野多喜雄村長は「村の水がどこから流れてきて、どのくらいの量があるのか科学的に明らかにすることが重要」と説明。「研究により村民が水の大切さを再認識することにもつなげたい」と話している。

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