2019.6.11

山梨桜桃忌、太宰しのぶ 研究書刊行も報告 

太宰治をしのぶ参加者=富士河口湖町の御坂峠

 作家太宰治(1909~48年)の命日(19日)を前にした9日、太宰が一時滞在した御坂峠の天下茶屋(富士河口湖町)で山梨桜桃忌が開かれた。県内外から約30人が集まり、「富嶽百景」の一節が刻まれた文学碑に献花し、太宰をしのんだ。
 天下茶屋では、長年にわたり山梨桜桃忌を主宰し、2017年に亡くなった橘田茂樹さんの研究成果をまとめた著書「太宰治と天下茶屋」(山梨ふるさと文庫刊)の刊行を報告。
 橘田さんの次男和樹さんは「皆の協力を得て出版できた。天国の父も喜んでいると思う。ぜひ手にとってほしい」とあいさつした。
 同書の監修に協力した甲府市出身の郷土史研究家三沢一也さん(東京都)が、「太宰がいたころの甲府」と題して講演。太宰の住居「寿館」があった甲府市竪町(現同市朝日5丁目)の写真や1937年の甲府市地籍図などを紹介し、「戦災で焼き尽くされてしまった中で、橘田さんは苦労して(寿館の)場所を突き止めた」と話した。
 橘田さんに代わり、昨年から山梨桜桃忌の運営に携わっている城西国際大准教授の望月純吉さんは「太宰の作品や影響を若い人たちにも伝えていく。太宰の深さを共有する機会にしていきたい」と話していた。

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