2019.6.19
富士山の文化、壁画で紹介 伝説、信仰、祭り、登山… 画家、5合目売店に描く

制作が進む富士山などの壁画=富士山5合目
及川さんは東京芸術大油画科を卒業。雑誌や広告でイラストレーションを手掛けているほか、曲に合わせたライブペインティング、展覧会など国内外で活動している。
壁画は1階を富士山の麓、最上階の3階を5合目に見立てて展開している。
「古代から現代までの時間の流れ」を意識し、富士山が60年に1度の庚申の年に誕生したといった伝説や富士山信仰の歴史などを紹介。木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)や神の使いとしてあがめられてきた猿、シャクナゲなどの植物を描いている。吉田の火祭りやすすき祭り、富士講やサイクリストが山を登る様子も描く予定だ。
及川さんは4月、5合目や富士吉田市のふじさんミュージアム、旧外川家住宅を巡り、富士山に関する知識を得ながら構成を考えたという。
壁画は同売店が依頼。おかみの井出智子さん(55)は「世界文化遺産で商売する身として、観光客に文化や歴史を伝える機会をつくりたかった」と意図を説明する。
制作は6月10日に始まり、20日ごろ完成する予定。及川さんは「歴史、文化、伝説などさまざまな要素を取り入れている。訪れた人が富士山の文化的な側面に興味を持ってくれたらうれしい」と話している。

壁画の制作風景=富士山5合目
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