2019.7.05

富士山保全報告を承認 ユネスコ「管理十分に機能」 

 アゼルバイジャンで開催中の国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会は4日、世界文化遺産・富士山の保全状況に関する日本政府の報告書を承認した。登山道の混雑回避などの取り組みについて「(遺産の)管理は十分に機能している」と評価。次回報告書を2020年12月1日までに提出するよう求めた。
 富士山は13年に登録され、2回目の保全審査。報告書は山梨、静岡両県が国と協力して作成し、政府が昨年11月26日にユネスコに提出していた。ユネスコが求めた登山者対策として、来訪者管理につながる「望ましい登山者数の水準」を吉田口登山道で1日当たり4千人と設定。4千人を超える日数を3日以下とする目標を掲げた。
 世界遺産委は、望ましい富士登山の実現に向けた地元の調査研究活動を歓迎。山梨、静岡両県が富士山の自然や歴史、文化、周辺観光などの情報を来訪者らに提供するため、それぞれ開設した富士山世界遺産センターについては「教育活動の促進など広範囲な役割を果たす」と評価した。
 長崎幸太郎知事は「富士山を保全する取り組みや方向性が高い評価を受けた。今後も保全のための計画を着実に進め、富士山の普遍的価値を後世に引き継ぐための努力をしていく」とするコメントを出した。
 世界遺産委の承認に先立ち、ユネスコの諮問機関である国際記念物遺跡会議(イコモス)は5月21日、報告書について「保全と管理の義務を果たし続けている」と評価する審議資料を公表していた。
 静岡県の川勝平太知事は「富士山の管理、保全の責務を継続して果たしていることを承認され、取り組みの順調な進展を歓迎するとされるなど、高い評価を得られてうれしく思う。引き続き関係者と連携し、富士山の適切な保全、活用と魅力の発信に全力で取り組む」とした。

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