2019.8.05

【富士山臨時支局】江戸時代の吉田口、絵図44点でたどる 

ふじさんミュージアム企画展 

江戸時代の富士山吉田口登山道の様子を紹介している企画展=富士吉田市上吉田

江戸時代の富士山吉田口登山道の様子を紹介している企画展=富士吉田市上吉田

 富士吉田市上吉田のふじさんミュージアムは、企画展「富士山禅定~登山道四十四の世界」を開いている。江戸時代後期に描かれたとみられる吉田口登山道の絵図面44点を展示。神社や周囲の景観を詳細に描写していて、当時の富士登山の様子をうかがうことができる。

 ミュージアムによると、「富士山禅定四十四図」は登山道周辺の絵図をまとめた冊子で、1832~39年に制作されたとみられる。作者は不明で、建物の配置や構図などの詳細な描写から実際に登山して描いた可能性が高いという。

 企画展では原本を基に作製したパネルを展示。富士講の信者が登山前に宿泊した御師の家が立ち並ぶ同市上吉田地区、馬返しや5合目、泉ケ滝、吉田口登山道と須走口登山道の合流地点、剣ケ峰などを紹介している。

 2合目の小室浅間神社(現在の冨士御室浅間神社)を題材にした絵図では、女性の登山禁止を周知する立て札を描写し、「女人禁制」の歴史があったことが分かる。火口にさい銭を投げ入れているとみられる人物を描いたものもある。

 また、板屋根だった山小屋が、標高が高くなるにつれ石で周囲を囲む構造に変化していく様子が分かる。

 布施光敏学芸員は「後の時代に描かれた絵図の参考になった可能性がある重要な資料。かつての吉田口登山道の様子を知る機会にしてほしい」と話している。

 9月23日まで。火曜休館(8月中は無休)。

(2019年8月3日付 山梨日日新聞掲載)

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