2019.8.07

【富士山臨時支局】入山料徴収所、6合目に増設

協力率向上、周知が鍵

今夏から設置された徴収所で富士山保全協力金を支払う登山者ら=富士山6合目

今夏から設置された徴収所で富士山保全協力金を支払う登山者ら=富士山6合目

 下山道整備やトイレ、救護所の維持管理などに充てるため、登山者に任意で千円ずつ支払ってもらう富士山保全協力金(入山料)。県は今夏、協力率アップを図ろうと、6合目の安全指導センター西側に新たな徴収所を設置した。現地を訪れ、登山者の反応を取材した。

 「富士山保全協力金にご協力をお願いします」。1日、6合目に続々と到着する登山者に、業務を委託された事業者3人が大声で呼び掛けていた。徴収に気付き財布から千円札を取り出す登山者。スタッフは「ありがとうございます」と言いながら、支払い済みを示す木札を手渡した。

 午前11時~正午の1時間、新設された徴収所前を通過した登山者は約270人。支払いに応じたのは93人で、5合目で既に支払ったことを示す木札を付けた登山者は74人いた。合計で山梨側の昨年実績(58.6%)をやや上回る6割超が協力していた。

 6合目の徴収所はこれまで、約50メートル離れた安全指導センター東側だけに設置。山梨、静岡両県などでつくる富士山世界文化遺産協議会が徴収対象を「5合目から先に立ち入る来訪者」に変更したことを踏まえ、県は大多数の登山者が通過する同センター西側にも設けた。

 昨年に続き徴収に当たる事業者は「新しい徴収所は6合目に到着すると目の前にあり登山者にも分かりやすい。ひと息つける場所もあるので声を掛けやすい」としている。

 支払いに応じた大阪府の団体職員男性(43)は「多くの登山者が通過する場所に徴収所を設けるのは、公平性の観点から考えていいことだ」と評価する。

 一方、徴収所を素通りした登山者は100人ほどいた。記者が声を掛けると、「強制ではないから」「使い道を知らない」との声が多かった。

 協力金を支払った東京都の会社員男性(55)は「富士山を守るため、登山者にとっては義務だ。場所も分かりやすく支払いやすくなったので、ほかの人にも応じてほしい」と話す。支払いの意義について理解を得るため、さらに周知が必要なようだ。

(2019年8月5日付 山梨日日新聞掲載)

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