旧郵便局をギャラリーに
富士吉田、窓口の面影残し整備 まちづくり大学と連携
富士吉田市と連携協定を結ぶ慶応大などは、同市上吉田の国道138号沿いにある旧上吉田郵便局を、まちづくりギャラリー「よこまちポスト」として整備した。同国道は拡幅事業が予定されていて、同大などはギャラリーを、住民が国道周辺の「横町」のまちづくりについて話し合う拠点として活用する。
横町は北口本宮冨士浅間神社や西念寺大門などがある一帯。豊かな自然があり、富士講信者が歩いた道なども残る。
地域を通る国道では拡幅事業が予定されていて、市は2015年度から、今後のまちづくりについて慶応大と連携して調査を進めてきた。これまでに地域の歴史や現状、拡幅工事の影響などを学ぶ勉強会を開催。富士山信仰や御師の家について解説する案内板を同神社駐車場に設置するなどしている。
旧上吉田郵便局は1963年に開業し、97年に移転。旧局舎は空き家となっていた。窓口業務を行っていた1階部分(約40平方メートル)を「よこまちポスト」として活用。電報や郵便の受け付けなどを行った面影はそのまま残している。設計や工事は都内の設計事務所や東京大都市デザイン研究室の学生らが担当した。
会場には同地域の街並みを再現した200分の1の模型や地域の歴史を紹介する年表、これまでの活動を振り返るパネルなどが並ぶ。ギャラリーは不定期でオープンし、次回は25~27日を予定している。
事業に関わってきた慶応大特任准教授・東京大准教授の中島直人さんは「地元の人たちが集い、町の将来について考える拠点になるといい」と話している。
(2019年8月21日付 山梨日日新聞掲載)