2019.8.29

ヘルメットの必要性痛感

登山者、必要性を痛感

 富士山で登山者が死亡する落石事故を受け、登山者からは、ヘルメット着用の重要性を認識したとの声が相次いだ。事故後は富士吉田市のヘルメット貸し出し件数が急増した。ただ、ヘルメット着用者は登山者の一部にすぎず、市は今後のヘルメットを増やして携行の呼び掛けを強化する方針だ。

 「恐ろしいことが起こってしまった。人ごとではない」。友人2人と山頂を目指す予定だった名古屋市の男子大学生(22)は26日、事故を受け、6合目の安全指導センターで市が貸し出しているヘルメットを着用。「昨季も富士登山をしたが、大丈夫だろうと思って借りなかった。山には危険が潜んでいることを肝に銘じたい」と神妙な面持ちで語った。

 東京都葛飾区の会社員男性(42)は事故当時、死亡した女性の搬送に当たった登山者の荷物を本人のもとへ運んだといい、「落石があるなんて考えてもいなかった」と言葉少な。都留文科大の男性(21)は登山を前に「ヘルメットの貸し出し制度の活用を考えたい。富士山は安全な山だと思っていたのだが…」と話した。

 富士吉田市富士山課によると、ヘルメットの貸し出しは1日平均30個程度。落石事故があった26日は100個以上に急増した。

 だが、ヘルメットを着用せずに登山する人は依然として多い。登山者数に対するヘルメットの貸し出し率(7月1日~8月25日)は、1.07%だった昨年と比べ今年は1.16%とほぼ横ばいだ。市は今後、貸し出し用ヘルメットを増やす予定で、登山者への注意喚起を強化する方針。堀内茂市長は「落石はいつ起きるか分からない。登山者に自己防衛の手段として着用する意識を持ってもらえるよう、呼び掛けていきたい」と話した。

(2019年8月27日付 山梨日日新聞掲載)

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