2019.8.30
落石防護区域外で発生か
県、富士登山道脇に規制線
富士山頂付近の登山道でロシア国籍の女性が落石に当たって死亡した事故で、富士山の山頂直下の石積みに登山者が立ち入っている状況があり、落石につながる恐れがあったことが27日、山梨県への取材で分かった。事故当時、実際に石が崩れたという情報はないが、県は同日、事故防止のため立ち入り規制のロープを張った。
県道路管理課などによると、石積みは山頂付近の神社の敷地内にあり、混雑時に一部の登山者が座ったり、立ったりする状況が報告されていた。登山者の立ち入りで落石が起きる恐れがあるとして、県は事故を受けて登山道脇に約20メートルにわたってロープを張り、「立入禁止」の看板を設置した。
山頂付近では昨秋、台風の影響で石積みの崩落が発生し、県がのり面をネットで覆い仮復旧した。今回ロープを張ったのは崩落現場から登山道を挟んで反対側の石積み。事故後の調査で、ネットに破損などはなかったことなどから、県は、落石はネットで覆っていない場所で発生したとみている。
同課は「今回の事故との因果関係は分からないが、落石につながる状況が確認された。安全対策を講じた」としている。
落石事故は26日朝に発生。夫とともに登山していたロシア国籍で東京都品川区の主婦(29)が死亡した。
一方、静岡県は事故を受けて26日午後から実施していた登山道(須走ルート)の山頂付近の通行規制を27日午前に解除した。
(2019年8月28日付 山梨日日新聞掲載)
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